令和8年熊本地震で要介護・要支援認定の有効期間を最大12か月延長 更新の手続きができなくても認定は切れない 令和8年(2026年)8月17日公布・施行

令和8年(2026年)7月28日に発生した「令和8年熊本地震」を受けて、要介護認定・要支援認定の有効期間を最大12か月延長できるようにする省令が、令和8年8月17日に公布・施行されました。

「令和八年熊本地震による災害に対処するための要介護認定有効期間及び要支援認定有効期間の特例に関する省令」(令和8年厚生労働省令第130号)です。

介護保険の要介護認定・要支援認定には有効期間があり、期間が切れる前に更新の申請をする必要があります。しかし地震で市町村が更新の事務を行うことが難しくなっているため、認定が切れてしまわないように有効期間を延ばす措置がとられました。

対象になる人が自分で申請する必要はありません。

対象になる人

令和8年熊本地震に際し災害救助法が適用された市町村の区域(通知では「特定被災区域」と呼ばれています)内に住所を有する被保険者が対象です。

令和8年熊本地震では、7月28日に熊本県の10市10町1村(21市町村)に災害救助法が適用されています。

熊本市、八代市、水俣市、山鹿市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、天草市、合志市、下益城郡美里町、菊池郡大津町、菊池郡菊陽町、阿蘇郡西原村、上益城郡御船町、上益城郡嘉島町、上益城郡益城町、上益城郡甲佐町、八代郡氷川町、葦北郡芦北町、葦北郡津奈木町

判断の基準は住所です。避難のため一時的に別の市町村や県外にいる場合でも、住所が上の市町村内にあれば対象になります。

どれだけ延びるか

これまでの有効期間に、12か月(12月間)までの範囲内で市町村が定める期間を合算できます。

つまり「一律に12か月延びる」のではなく、何か月延ばすかは市町村が決めます。市町村の状況や、認定を受けている人の状況によって変わります。

項目内容
上乗せできる期間12か月までの範囲内で市町村が定める期間
決める人お住まいの市町村
本人の申請不要

いつ切れる認定が対象か

特例が適用されるのは、この特例がないとしたら令和8年7月28日から令和9年7月31日までの間に満了する要介護認定有効期間・要支援認定有効期間です。

地震の発生日(7月28日)から約1年間に期限が来る認定が幅広く対象になります。

介護サービス事業所やケアマネジャーの資格も延長

同じ令和8年8月17日、特定非常災害法(特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律)第3条第2項に基づく告示(令和8年厚生労働省告示第324号)も公布・適用されました。

令和8年熊本地震は令和8年8月7日に特定非常災害に指定されており、これにより有効期間のある許認可等の満了日を令和9年1月27日まで延長できるようになっています。今回の告示は、その対象となる介護保険分野の許認可等を指定するものです。

対象は次の12種類です(事業者指定・施設の許可については、特定被災区域内にある事業所・施設に係るものに限られます)。

  • 指定居宅サービス事業者の指定(介護保険法41条1項)
  • 指定地域密着型サービス事業者の指定(42条の2第1項)
  • 指定居宅介護支援事業者の指定(46条1項)
  • 指定介護老人福祉施設の指定(48条1項1号)
  • 指定介護予防サービス事業者の指定(53条1項)
  • 指定地域密着型介護予防サービス事業者の指定(54条の2第1項)
  • 指定介護予防支援事業者の指定(58条1項)
  • 介護支援専門員証の交付(69条の7第1項)
  • 介護老人保健施設の開設許可(94条1項)
  • 介護医療院の開設許可(107条1項)
  • 第1号事業に係る指定事業者の指定(115条の45の3第1項)
  • 主任介護支援専門員更新研修の修了(介護保険法施行規則140条の66第1号イ(3))

更新等の申請があった場合は、延長後の有効期間を前提として手続きが行われます。延長後の有効期間は、原則として令和9年1月28日から起算します。告示の適用期日(8月17日)より前に更新の申請がされていて、まだ処分がされていないものについても同じ扱いです。

熊本地震で有効期間が延びる許認可等の全体像は、熊本地震で有効期間が延びる免許・資格の一覧にまとめています。今回の介護分野の告示は、その一覧に順次追加されていくものの一つです。

パブリックコメントは行われていない

この省令は、意見公募手続(パブリックコメント)を実施せずに制定されました。

厚生労働省は、地震により市町村が要介護認定等の更新に係る事務を行うことが困難である状況に鑑み迅速に措置を講じる必要があることから、行政手続法(平成5年法律第88号)第39条第4項第1号(公益上、緊急に命令等を定める必要がある場合)に該当するとして、意見公募手続を実施しなかったと公示しています。

過去の災害でも同様の省令が出ています。令和6年能登半島地震(令和6年厚生労働省令第3号)、令和2年7月豪雨(令和2年厚生労働省令第142号)、令和元年台風第19号(令和元年厚生労働省令第64号)、平成28年熊本地震(平成28年厚生労働省令第133号)、東日本大震災(平成23年厚生労働省令第66号)などで、いずれも「12か月までの範囲内で市町村が定める期間を合算する」という同じ仕組みが使われています。

まず確認すること

  • 担当のケアマネジャー、またはお住まいの市町村の介護保険担当窓口に、認定の有効期間がいつまで延びるかを確認します。
  • 延長のために本人が申請する手続きはありません。市町村からの案内を待ってください。
  • 認定の期限が近いことを理由に、介護サービスの利用を控える必要はありません。
  • 被災して介護サービスの利用者負担を払うのが難しい場合は、別に利用者負担の減免の取扱いがあります。市町村の窓口に相談してください。

被災したときの支援制度全般については令和8年熊本地震のまとめと災害で被災したときの公的支援・相談先まとめもあわせてご覧ください。国民健康保険料(税)の減免については令和8年熊本地震で国民健康保険料(税)が減免にで解説しています。

支援制度を装った詐欺にも注意してください。役所が電話で口座番号や暗証番号を聞くことはありません。被災地支援をうたうSNSのDMから「〇〇Pay詐欺」もあわせてご確認ください。

出典

家族に説明するなら

熊本の地震のあと、要介護認定や要支援認定の期限が切れそうな人のための特例だよ。ふつうは認定に有効期間があって、切れる前に市役所で更新の手続きをしないといけないんだけど、地震で市町村の窓口も大変な状況だよね。そこで国が8月17日に省令を出して、災害救助法が適用された熊本県の21市町村に住んでいる人は、認定の有効期間を最大12か月まで延ばせるようにしたんだ。対象は令和8年7月28日から令和9年7月31日までに期限が切れる認定。自分で申請する必要はなくて、市町村が何か月延ばすかを決めるよ。だから『更新の手続きができないうちに認定が切れて、介護サービスが使えなくなる』という心配はしなくて大丈夫。ただし何か月延びるかは市町村ごとに違うから、ケアマネジャーさんか市町村の介護保険の窓口に確認してね。同じ日に、デイサービスなどの事業所の指定や、ケアマネジャーの資格証の期限も令和9年1月27日まで延びることが決まったよ。

本記事は公式情報をもとにした要約です。最新かつ正確な情報、申請条件、期限は必ず公式ページでご確認ください。