金融庁・財務省が、暗号資産や電子決済手段の移転時に送付人・受取人の情報を通知する「トラベルルール」の対象となる国・地域(法域)を追加する告示改正を公布しました。これは主に暗号資産交換業者・電子決済手段等取引業者(VASP)向けの制度改正です。
「トラベルルール」と今回の指定とは
日本では、暗号資産・電子決済手段の取引経路を追跡できるようにするため、暗号資産交換業者・電子決済手段等取引業者(VASP)に対し、移転時に送付人・受取人の情報を通知する義務(トラベルルール)を課しています。
通知先の国・地域に相当する規制が整っていないと通知の実効性に欠けることから、トラベルルールの対象は「日本の通知義務に相当する規制が定められている法域」に所在する外国業者への移転に限られています。この対象法域を、犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令(犯収法施行令)第17条の2・第17条の3に基づき、金融庁長官・財務大臣が指定しています。
何が変わるのか
各法域におけるトラベルルールの施行状況を踏まえ、対象法域に次の5法域が追加されました。
- アンギラ
- オマーン
- キューバ
- ドミニカ国
- ボツワナ
これにより、これら5法域の事業者への暗号資産・電子決済手段の移転についても、送付人・受取人情報の通知(トラベルルール)が行われることになります。今回の改正は、令和5年(2023年)の金融庁・財務省告示第2号を一部改正するものです。
いつから
- 公布:令和8年(2026年)7月7日
- 適用開始:令和8年(2026年)8月3日(適用済み)
2026年8月3日から、追加された5法域への移転もトラベルルールの対象になっています。
パブリックコメントの結果
改正案は令和8年(2026年)5月1日から5月31日まで意見募集(パブリックコメント)が行われ、2先から2件のコメントが寄せられました。寄せられた意見の概要や金融庁の考え方は、公式ページで公表されています。
誰に関係するか
主に暗号資産交換業者・電子決済手段等取引業者(VASP)に関わる改正です。これらの事業者を通じて対象法域へ暗号資産・電子決済手段を送付する利用者にも関連します。
出典
- 金融庁「『犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第十七条の二及び第十七条の三の規定に基づき国又は地域を指定する件の一部を改正する件(案)』に対するパブリックコメントの結果等について」(令和8年7月7日)
- 金融庁 公式ページ