国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律が、令和8年(2026年)7月31日に公布されました(令和8年法律第78号)。第221回国会に衆議院議員から提出された議員立法(衆第27号)で、衆議院で修正のうえ令和8年7月15日に可決され、参議院は7月24日に可決しました。
この法律の目的
参議院の議案要旨によれば、この法律の目的は次のとおりです。
大規模災害に備え、副首都の整備に係る施策その他国家社会機能の継続性が確保された国土の形成を図るための施策を推進し、公共の福祉の確保、国民生活の向上、多極分散型経済圏の形成を通じた我が国経済の成長に資すること
「首都中枢機能代替地域」と「副首都」
この法律では、2つの区分が設けられます。いずれも東京圏との同時被災の可能性が低いことが要件です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 首都中枢機能代替地域 | 大規模災害時に一定期間、首都中枢機能の一部を代替する機能を担う地域 |
| 副首都 | 大規模災害時に一定期間、首都中枢機能の全部または大部分を代替する機能、および多極分散型経済圏の形成の中核となる機能を担う道府県 |
基本方針と基本理念
政府は、施策の総合的・計画的な推進を図るための基本方針を策定し、施策の意義・目標等の施策の推進のために必要な事項を定めます。
基本理念として、次の事項が掲げられます。
- 人口・国家社会機能の分散的配置
- 首都中枢機能のバックアップ
- 災害時の地方公共団体・民間事業者等のBCP(事業継続計画)の支援
- 情報通信技術その他の先端的な技術の活用を図りつつ行う、多重性・代替性が確保された交通通信体系の整備等
これに対応した基本的施策が定められます。とくに首都中枢機能代替地域に係る基本的施策としては、次の施策を講ずることとされています。
- 首都中枢機能を代替するうえで国の機関等に必要とされる機能の整備
- 官民データの円滑な流通の確保を図るために必要な基盤の整備等
副首都はどう指定されるのか
内閣総理大臣が、次の要件を定めます。
- 首都中枢機能代替地域であること
- 国の行政機構の立地状況
- 人口・経済の集積状況
- 必要な地方行政体制
そのうえで、これらのいずれにも該当する地域を含む道府県を「副首都」として指定します。
具体的にどの道府県が指定されるかは、内閣総理大臣が要件を定めたうえでの指定によって決まるため、現時点では確定していません。
推進本部の設置と国会への報告
内閣総理大臣を本部長とする国家社会機能継続性確保施策・副首都整備推進本部が内閣に設置され、基本方針の案の作成等をつかさどります。
政府は、毎年の副首都の整備に係る施策その他国家社会機能継続性確保施策の実施状況と、集中推進期間における同施策の実施状況の検証の結果について、国会に報告しなければならないとされます。
特別区を設ける副首都の名称
特別区を設ける道府県である副首都の名称を「都」に変更する手続を定めるため、大都市地域における特別区の設置に関する法律の改正が行われます。
いつから始まるのか
- 公布日:令和8年(2026年)7月31日
- 施行日:公布日から起算して3か月以内で政令で定める日
誰に関係するか
都道府県・市区町村の防災や地域振興の担当者は、基本方針の策定と副首都の指定要件が今後示されるため、その内容を確認することになります。
事業者にとっては、災害時の地方公共団体・民間事業者等のBCPの支援が基本理念に掲げられている点が関係します。具体的な支援の内容は、基本方針と今後の施策で定まります。
出典
- 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律(令和8年法律第78号・令和8年7月31日公布)
- 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案 議案情報・議案要旨(参議院)
- 議案要旨(参議院・PDF)
- 令和8年1月1日から現在までに公布された法律(内閣法制局)