日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律が、令和8年(2026年)7月31日に公布されました(令和8年法律第73号)。第221回国会に衆議院議員から提出された議員立法(衆第11号)で、衆議院は令和8年6月19日、参議院は7月24日に可決しました。
この法律案の目的は、参議院の議案要旨によれば、憲法改正国民投票の投票人の投票しやすい環境を整えるため、必要な措置を講じようとするものです。改正の内容は、投票所・開票所の運営と広報の手続きに関するものに限られています。
国民投票法とは
日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)は、憲法改正が国会で発議されたときに行う国民投票の手続きを定めた法律です。投票人名簿の作成、投票の方法、開票、広報のしくみなどが定められています。
この記事は、今回の改正で変わった手続きの内容を整理するものです。
何が変わるのか
1. 開票立会人の選任に係る規定の整備
開票立会人は、開票が正しく行われているかを見届ける立場の人です。
政党等が届け出る場合、これまではその開票区の投票人名簿に登録された者の中から届け出る必要がありました。改正後は、それに限らず、当該開票区の区域の全部または一部をその区域に含む市町村の投票人名簿に登録された者の中から届け出ることができるようになります。
また、都道府県の選挙管理委員会が市町村の区域を分けて、または数市町村の区域の全部もしくは一部を合わせて開票区を設ける場合について、次の手続きが定められます。
| 開票区を設けた時期 | 選任する者 |
|---|---|
| 国民投票の期日前2日から期日の前日までの間 | 市町村の選挙管理委員会 |
| 国民投票の期日以後 | 開票管理者 |
いずれの場合も、当該開票区の区域の全部または一部をその区域に含む市町村の投票人名簿に登録された者の中から3人以上10人以下の開票立会人を選任し、直ちにこれを本人に通知して、開票に立ち会わせなければならないとされます。
2. 投票立会人の選任要件の緩和
投票立会人は、投票所で投票が正しく行われているかを見届ける立場の人です。
市町村の選挙管理委員会は、これまでその投票区の投票人名簿に登録された者の中から投票立会人を選任する必要がありました。改正後は、それに限らず、国民投票の投票権を有する者の中から選任することができるようになります。
3. FM放送でも広報放送ができるように
憲法改正案の広報のための放送について、現行の中波放送(AM放送)の放送設備に加えて、超短波放送(FM放送)の放送設備によっても行うことができるようになります。
いつから始まるのか
- 公布日:令和8年(2026年)7月31日
- 施行日:公布の日から起算して3か月を経過した日(令和8年10月31日)
このほか、その他所要の規定の整備が行われます。
誰に関係するか
市区町村・都道府県の選挙管理委員会の担当者は、立会人の選任事務の運用が変わるため、施行日までに確認が必要です。立会人のなり手を確保しやすくすることが今回の改正のねらいにあたります。
国民投票の立会人になる可能性がある人にとっては、居住する投票区・開票区の外でも立会人になれる場合が出てくることになります。
出典
- 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第73号・令和8年7月31日公布)
- 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案 議案情報・議案要旨(参議院)
- 議案要旨(参議院・PDF)
- 令和8年1月1日から現在までに公布された法律(内閣法制局)