危険ドラッグ4物質が新たに「指定薬物」に 令和8年(2026年)8月28日から所持・使用も禁止

厚生労働省は令和8年(2026年)8月18日、危険ドラッグに含まれる4物質を新たに「指定薬物」に指定する省令を公布しました(令和8年厚生労働省令第131号)。施行は令和8年8月28日です。

施行後は、これらの物質とこれらの物質を含む製品について、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されます。

何が変わるのか

内容
改正されたもの医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第十五項に規定する指定薬物及び同法第七十六条の四に規定する医療等の用途を定める省令
省令番号令和8年厚生労働省令第131号
公布日令和8年(2026年)8月18日
施行日令和8年(2026年)8月28日
内容危険ドラッグの成分4物質を新たに指定薬物に指定
禁止される行為医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等
罰則3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(業として行った場合は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金)

罰則の数値は、厚生労働省が報道発表で示しているものです。

禁止されるのは売る側だけではありません。持っていること(所持)と使うこと(使用)も禁止の対象です。

指定された4物質

厚生労働省が公表した省令上の名称と通称は次のとおりです。

通称等省令名
物質15-MeO-NiBT、5-MeO-iBTN-イソブチル-5-メトキシトリプタミン
物質2Isobutonitazene1-(2-ジエチルアミノ)エチル-2-(4-イソブトキシベンジル)-5-ニトロベンズイミダゾール
物質3Fluetonitazene1-(2-ジエチルアミノ)エチル-2-[4-(2-フルオロエトキシ)ベンジル]-5-ニトロベンズイミダゾール
物質41Fe-LSDN,N-ジエチル-4-(フェロセンカルボニル)-7-メチル-4,6,6a,7,8,9-ヘキサヒドロインドロ[4,3-fg]キノリン-9-カルボキサミド

「指定薬物」とは

指定薬物は、厚生労働大臣が、中枢神経系への作用を有する蓋然性が高く、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれのある物として指定するものです(医薬品医療機器等法第2条第15項)。指定されると、医療等の用途以外の目的での製造・輸入・販売・所持・使用等が禁止されます。

指定薬物より規制が重いものとして麻薬があります。指定薬物として規制された物質のうち、麻薬と同種の乱用のおそれと有害作用が確認されたものは、後から麻薬に指定されることがあります。麻薬に指定されると罰則はさらに重くなります(令和8年9月6日から3物質が麻薬に移る例については危険ドラッグ3物質が「指定薬物」から「麻薬」にをご覧ください)。

意見募集(パブリックコメント)は行われていない

今回の省令改正では、意見公募手続(パブリックコメント)は実施されていません。

厚生労働省は、e-Govの結果公示で、行政手続法第39条第4項第1号に掲げる「公益上、緊急に命令等を定める必要がある」に該当したためと説明しています。

報道発表では、その理由がさらに具体的に示されています。4物質は8月17日の薬事審議会指定薬物部会で指定薬物とすることが適当とされた物質であり、使用による健康被害等を防止するため、パブリックコメントの手続きを省略し、指定薬物として早急に指定することとしているという運用です。指定薬物の新規指定は、この形で進められるのが通例です。

厚生労働省が示している課題と方針

報道発表で、厚生労働省は次の点を挙げています。

  • 4物質は海外でも流通している物質であるとして、危険ドラッグが海外から輸入され、乱用されることのないよう水際(輸入)対策を強化していく方針
  • 今後、インターネットによる販売も含め、医薬品医療機器等法に基づく無承認無許可医薬品としての指導取締りも強化していく方針
  • 事業者に対して、販売、購入、輸入等をしないよう強く警告

つまり、国内で規制しても海外からの輸入とネット販売という経路が残る点が、厚生労働省自身が挙げている課題です。

いま確認したいこと

  • 8月28日を境に、同じ物を持っていることの意味が変わります。 危険ドラッグは商品名や見た目、成分の一部を変えて売られることが多く、外見では判断できません。「規制されていない」「合法」といった説明を信じないでください。
  • 身近に該当する物を持っている人がいる場合は、使用させず、警察または地方厚生局麻薬取締部に相談してください。
  • 研究・鑑識・分析・医療などで正当な目的で取り扱う場合は、8月28日以降の取扱いについて所管の窓口に確認してください(省令に関する問合せ先は厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課、電話03-3595-2436)。

出典

家族に説明するなら

危険ドラッグに使われている4つの成分が、8月28日から法律で禁止されるよ。禁止されるのは売ることだけじゃなくて、持っていることや使うことも含まれるんだ。破ると3年以下の刑務所か300万円以下の罰金になる。この手の物は名前や見た目をどんどん変えて売られるから、『これは規制されていないから大丈夫』という説明はあてにならないよ。もし身近に持っている人がいたら、使わせないで、警察か麻薬取締部に相談してね。

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