内閣府(政策統括官(防災担当))は2026年(令和8年)9月30日、令和8年台風第18号に伴う災害について、鹿児島県大島郡徳之島町に災害救助法が適用されたと発表しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適用市町村 | 鹿児島県大島郡徳之島町(1町) |
| 公示日時点の被害状況 | 全壊11、半壊60 |
| 法適用日 | 令和8年8月25日 |
| 公示日 | 令和8年9月30日 |
| 根拠 | 災害救助法施行令第1条第1項第1号 |
1か月後の公示で、8月25日にさかのぼる
今回の適用は、法適用日(8月25日)と公示日(9月30日)が約1か月離れています。台風25号の第1報(千葉県24市町村・東京都大島町)が、法適用日の当日か翌日に公示されたのとは対照的です。
違いは、適用の根拠になった号にあります。
- 第4号:「多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じている」場合。被害の数を数える前に、災害の当日に適用できます。台風25号(千葉県・大島町の記事)や8月の千葉豪雨はこちらです
- 第1号:市町村の人口に応じて決められた数以上の世帯の住家が滅失した場合。滅失の数え方は、全壊(全焼・流失)1世帯を1とし、半壊は2世帯で1と換算します。被害の調査を終えてからでないと判定できません
徳之島町は第1号での適用です。内閣府の発表文も「住家に多数の被害が生じたことから」と書いています。全壊11・半壊60を換算すると、滅失世帯は11+60÷2=41世帯分です。
法適用日が8月25日になっているので、8月25日以降に町が行った避難所の運営などの救助も、災害救助法の救助として扱われます。
災害救助法が適用されると何が変わるか
応急的な救助の費用を国と県が負担し、町が救助を実施します。避難所の設置、食品・飲料水の供給、生活必需品の給与、住宅の応急修理、障害物の除去などです。住宅の応急修理は、町が業者に依頼して最低限の修理を行う制度なので、自分で業者と契約して修理を始める前に町に相談してください。
被災者生活再建支援法との関係
住宅が全壊した世帯などに最大300万円を支給する被災者生活再建支援法は、災害救助法とは別に適用が決まります。支援法の施行令第1条第1号は、災害救助法施行令第1条第1項第1号・第2号に該当する被害が発生した市町村の自然災害を対象にしています。徳之島町への救助法の適用はこの第1号によるものです。
10月2日、支援法は3町に適用
10月2日、内閣府は、鹿児島県から台風18号の災害について支援法を適用する旨の報告があったと発表しました(鹿児島県も同時発表)。対象は次の3町です。
| 町 | 発生日 | 適用基準(支援法施行令) |
|---|---|---|
| 徳之島町 | 8月25日 | 第1条第2号(10以上の世帯の住宅が全壊した市町村) |
| 天城町 | 8月25日 | 第1条第4号 |
| 伊仙町 | 8月25日 | 第1条第4号 |
第4号は、第1号または第2号の被害が出た市町村を含む都道府県で、5以上の世帯の住宅が全壊した人口10万未満の市町村を対象にする基準です。徳之島町が第2号に当たったことで、同じ島の天城町・伊仙町も第4号で対象になりました。天城町・伊仙町には災害救助法は適用されていませんが、支援法は救助法の適用とは別の基準で決まるため、こうしたずれが起きます。
対象区域で住宅が全壊・大規模半壊・中規模半壊した世帯などは、申請により、住宅の再建方法に応じた被災者生活再建支援金を受け取れます。支給するのは公益財団法人都道府県センターで、財源は都道府県が拠出した基金、その2分の1を国が補助します。申請の窓口は住んでいる町です。
救助法の公示(9月30日)から支援法(10月2日)までは2日でした。8月27日からの大雨では救助法から支援法まで3週間かかっています(羽咋市・氷見市の記事)。徳之島町への救助法は被害の数を数える第1号による適用で、9月30日の時点で全壊・半壊の数がまとまっていました。
金融上の措置(9月30日要請)
9月30日、九州財務局鹿児島財務事務所長と日本銀行鹿児島支店長の連名で、台風18号により災害救助法が適用された鹿児島県内の被災者について、金融機関に次の措置が要請されました。災害救助法の適用地域が追加された場合も同じ扱いを求めています。
- 預金:通帳・証書・届出印をなくしても、被災状況を踏まえた方法で本人確認ができれば払戻しに応じる。定期預金・定期積金の期限前の払戻しや、それを担保にした貸付にも応じる
- 手形・小切手:災害で支払えない手形・小切手について、不渡報告への掲載と取引停止処分に配慮する。電子記録債権も同様
- お金の引換え:損傷した紙幣や貨幣の引換えに応じる。国債をなくした場合の相談に応じる
- 融資:手続きを簡便にし、既存の借入れの返済猶予などの条件変更に応じる。「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の相談に応じる
- り災証明書:市町村の交付状況をみて、現況の写真で代えたり、後日の提出を認めたりする
- 証券:届出印をなくしても払戻しに応じ、預かり有価証券の売却・解約代金の即日払いにできる限り応じる
- 保険:保険証券や印鑑をなくしても請求の案内をし、保険金を迅速に支払い、保険料の払込みの猶予期間を延長するなどの措置をとる
これは金融機関への「要請」で、個別の対応は金融機関ごとに決まります。問い合わせ先は九州財務局鹿児島財務事務所理財課(099-226-6155)と日本銀行鹿児島支店総務課(099-259-3222)です。
普通交付税の繰上げ交付(10月6日決定)
総務省は令和8年10月6日、台風18号で被害を受けた徳之島町に、11月に定例で交付する普通交付税の一部 2億9,400万円を繰り上げて交付することを決めました(地方交付税法第16条第2項)。10月6日に交付決定、10月7日に現金交付です。
繰上げ交付は、災害で大きな被害を受けた自治体の資金繰りを助けるため、11月定例交付額の30%を前倒しで渡すものです。被災した人に直接お金が配られる制度ではありません。対象は徳之島町の1町で、支援法が適用された天城町・伊仙町は含まれていません。
被災したときの相談先
- り災証明書・支援金:申請先は住んでいる町(徳之島町・天城町・伊仙町)です。り災証明書は、その後の支援制度のほぼすべての出発点になります
- 支援制度の全体像:災害で被災したときの公的支援・相談先まとめ
- 災害に便乗した詐欺:支援金や修理をかたる連絡に注意してください。災害に便乗したSNS・DM・送金の詐欺