令和8年(2026年)9月18日、内閣府(政策統括官(防災担当))は、令和8年8月27日からの大雨による災害について、石川県・富山県から被災者生活再建支援法を適用する旨の報告があったことを公表しました。
対象区域は石川県羽咋市と富山県氷見市、発生日は令和8年8月27日、決定日は9月18日です。内閣府の適用団体一覧では「2県2市」とされています。
この大雨そのものの経過は石川県・富山県にレベル5大雨特別警報 8市町に災害救助法が適用(8月27日)にまとめています。
災害救助法は8市町、支援法は2市。なぜ差が出るのか
同じ大雨について、災害救助法は被災当日の8月27日に、富山県の高岡市・氷見市・小矢部市・射水市と、石川県の羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町の8市町へ適用されています。一方、今回の被災者生活再建支援法の適用は2市だけで、決定は3週間後の9月18日でした。
これは、二つの法律で適用の基準が違うためです。
| 災害救助法(8月27日適用) | 被災者生活再建支援法(9月18日適用) | |
|---|---|---|
| 今回の根拠 | 施行令第1条第1項第4号 | 施行令第1条第1号 |
| 基準の中身 | 多数の者が生命または身体に危害を受け、または受けるおそれが生じている | 災害救助法施行令第1条第1項第1号・第2号に該当する被害が発生した市町村 |
| 何を数えるか | 危害のおそれ(発災時点で判断できる) | 住家が滅失した世帯の数 |
| 決まる時期 | 発災当日 | 住家の被害認定調査の結果が出てから |
災害救助法の4号は「おそれ」の段階で適用できるので、避難所の設置や炊き出しをすぐ始められます。これに対し支援法の1号は、住家が滅失した世帯の数が市町村の人口規模ごとの基準(災害救助法施行令別表第1)に達しているかで決まります。数えるには全戸の被害認定調査が要るため、どうしても時間がかかります。
なお滅失世帯数の数え方には換算があり、半壊2世帯で1世帯、床上浸水3世帯で1世帯とみなされます。
災害救助法が適用された市町村が、そのまま支援法の対象になるわけではありません。ここを混同すると「うちの町も対象のはず」と思って申請の機会を逃したり、逆に対象でない制度を待ってしまったりします。
対象になる世帯
被災者生活再建支援法の対象は、次のいずれかに当てはまる世帯です。
- 住宅が全壊した世帯
- 住宅が半壊、または住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
- 災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯(長期避難)
- 住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯)
- 住宅が半壊し、相当規模の補修を行わなければ居住することが困難な世帯(中規模半壊世帯)
支援金の金額
支援金は、住宅の被害程度に応じた「基礎支援金」と、住宅の再建方法に応じた「加算支援金」の合計です。
| 住宅の被害程度 | 基礎支援金 | 再建方法 | 加算支援金 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 全壊(損害割合50%以上)/解体/長期避難 | 100万円 | 建設・購入 | 200万円 | 300万円 |
| 〃 | 100万円 | 補修 | 100万円 | 200万円 |
| 〃 | 100万円 | 賃借(公営住宅を除く) | 50万円 | 150万円 |
| 大規模半壊(損害割合40%台) | 50万円 | 建設・購入 | 200万円 | 250万円 |
| 〃 | 50万円 | 補修 | 100万円 | 150万円 |
| 〃 | 50万円 | 賃借(公営住宅を除く) | 50万円 | 100万円 |
| 中規模半壊(損害割合30%台) | なし | 建設・購入 | 100万円 | 100万円 |
| 〃 | なし | 補修 | 50万円 | 50万円 |
| 〃 | なし | 賃借(公営住宅を除く) | 25万円 | 25万円 |
世帯人数が1人の場合は、それぞれの金額の4分の3になります。全壊で住宅を建設・購入する単身世帯なら300万円ではなく225万円です。
支援金は、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して支給される制度で、その2分の1を国が補助します。支給は公益財団法人都道府県センターから行われます。
申請の方法と期限
申請の窓口は市町村です。今回は羽咋市と氷見市になります。
| 区分 | 申請期間 | 主な添付書面 |
|---|---|---|
| 基礎支援金 | 災害発生日(令和8年8月27日)から13か月以内=令和9年9月27日まで | り災証明書、住民票 等 |
| 加算支援金 | 災害発生日から37か月以内=令和11年9月27日まで | 契約書(住宅の購入、賃借等) 等 |
基礎支援金と加算支援金を同時に申請する必要はありません。 先に基礎支援金を申請し、住宅の再建方法が決まってから加算支援金を申請できます。このほか支援金支給申請書、預金通帳の写しなどが必要です。
り災証明書がすべての出発点
支援金の申請にはり災証明書が要ります。受付はどちらの市も続いています。
- 羽咋市:税務課課税係(羽咋市役所1階、電話 0767-22-6901)。8月27日豪雨の受付は令和8年8月28日13時30分から開始。申請には本人確認ができるもの(運転免許証など)と被災した住家の被害状況がわかる写真が要ります。
- 氷見市:税務課の窓口で、り災証明書・被災届出証明書の受付を継続(9月16日時点)。
片付けを始める前に、必ず被害の状況を写真に撮ってください。
羽咋市の「被災者生活再建支援金」ページは地震のもの
羽咋市のホームページには以前から「被災者生活再建支援金について」というページがありますが、これは令和6年能登半島地震(令和6年1月1日発生)についての案内で、申請期限も地震の発生日を起点にしたものです。今回の大雨は別の災害として改めて適用されたものなので、今回の分の受付方法・提出先は市の窓口で確認してください。
富山県・石川県の上乗せと関連の支援
富山県は「令和8年8月記録的大雨に係る被災者支援パッケージ」(9月18日更新)で、災害救助法が適用された4市(高岡市・氷見市・小矢部市・射水市)を対象とする被災者生活再建支援金として、次の額を示しています(問い合わせ先は厚生企画課 076-444-3196)。
| 住宅の被害程度 | 支給額 |
|---|---|
| 全壊・大規模半壊・中規模半壊 | 最大300万円 |
| 半壊 | 最大100万円 |
| 半壊に至らない床上浸水 | 最大50万円 |
国の支援法の対象は、氷見市の全壊・大規模半壊・中規模半壊の世帯等までです。半壊や床上浸水どまりの世帯、氷見市以外の3市は国の支援法の対象外なので、そこは県の制度の側で扱われる形になります。どちらの制度で扱われるかは申請先の市が判断するので、まずは市の窓口に相談してください。なお県のページには「令和8年9月県議会における補正予算案の議決を経て正式に実施します」と注記されています。
富山県はこのほか、知事見舞金(全壊世帯10万円、半壊・床上浸水世帯5万円)、災害援護資金の貸付(限度額350万円)、生活福祉資金の貸付なども案内しています。
石川県は、令和8年8月31日から令和9年1月29日まで、日本赤十字社石川県支部・石川県共同募金会と連携して災害義援金を受け付けています。
誰に関係するか
令和8年8月27日からの大雨で、羽咋市・氷見市の住宅に被害を受けた人に関わります。り災証明書がすべての手続きの出発点です。
同じ災害で福井県にも6市町に災害救助法が適用されていますが、9月18日時点の適用団体一覧に福井県は入っていません(福井県にレベル5大雨特別警報 6市町に災害救助法が適用(8月30日))。適用団体は被害認定調査の進み方によって後から追加されることがあるため、内閣府の適用状況ページで最新の一覧を確認してください。
被災後に確認したい相談先全般は災害で被災したときの公的支援・相談先まとめにまとめています。
出典
- 令和8年8月27日からの大雨による災害に係る被災者生活再建支援法の適用について(石川県)(内閣府・令和8年9月18日)
- 令和8年8月27日からの大雨による災害に係る被災者生活再建支援法の適用について(富山県)(内閣府・令和8年9月18日)
- 令和8年8月27日からの大雨による災害(適用一覧)(内閣府)
- 被災者生活再建支援法の適用状況について(内閣府)
- 被災者生活再建支援制度の概要(内閣府)
- 8月27日豪雨の罹災(被災)証明書の交付について(羽咋市)
- 罹災証明書(り災証明書)・被災届出証明書の受付は税務課窓口で継続しています(氷見市)
- 令和8年8月記録的大雨に係る被災者支援パッケージについて(富山県・令和8年9月18日更新)
- 令和8年(2026年)8月大雨に係る災害義援金の受付について(石川県)