防災庁は令和8年(2026年)11月2日に発足 施行期日を定める政令が公布(令和8年政令第303号) 組織令・関係政令の整備も

令和8年(2026年)9月30日の官報(号外第215号)に、防災庁の発足に関する政令が3本公布されました。

政令内容施行日
令和8年政令第303号防災庁設置法の施行期日を定める政令公布の日
令和8年政令第304号防災庁組織令令和8年11月2日
令和8年政令第305号防災庁設置法及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令令和8年11月2日(一部は公布の日)

政令第303号は、防災庁設置法(令和8年法律第61号)附則第1条本文の規定に基づき、「防災庁設置法の施行期日は、令和八年十一月二日とする。」と定めています。

7月の公布時点では「令和8年中」だった

防災庁設置法と、その施行に伴う整備法(令和8年法律第62号)は、令和8年7月17日に公布されました。法律の中身は、この記事の後半の「防災庁設置法と整備法の中身」にまとめています。

公布の時点では、防災庁が発足する日は「令和8年中において政令で定める日」とされていて、具体的な日付は決まっていませんでした。今回の政令で、11月2日に確定しました。

なお、地方機関である防災局に関する規定は、「公布の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日」の施行とされていて、今回の政令の対象ではありません。

防災庁の内部組織(防災庁組織令)

防災庁組織令(政令第304号)は、防災庁の内部に置く職を定めています。

職定数主な役割
統括官4人防災庁設置法第4条に規定する事務のほか、人事、法令案の審査、情報公開、総合調整、国会との連絡、広報、予算・決算・会計などを分掌する
審議官2人(併任の者を除く)統括官のつかさどる職務のうち重要事項に係るものを助ける
公文書監理官1人公文書類の管理と、情報公開・個人情報保護の適正な実施の確保に関する重要事項に参画する
参事官15人(併任の者を除く)統括官のつかさどる職務を助ける

統括官が分掌する事務には、東日本大震災復興特別会計の経理のうち防災庁の所掌に係るものも含まれています。

関係政令の整備(政令第305号)

政令第305号は、防災庁の発足に合わせて30本以上の政令をまとめて改正します。主なものは次のとおりです。

「内閣府令」が「防災庁令」に

次の政令で引用している「内閣府令」が「防災庁令」に改められます。災害のときに国が細目を定めるルールの所管が、内閣府から防災庁に移るということです。

  • 災害救助法施行令
  • 大規模地震対策特別措置法施行令
  • 地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律施行令
  • 地震防災対策特別措置法施行令
  • 被災者生活再建支援法施行令
  • 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法施行令
  • 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律施行令
  • 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法施行令
  • 大規模災害からの復興に関する法律施行令
  • 台風常襲地帯の指定基準に関する政令

台風常襲地帯の指定基準に関する政令では、あわせて気圧の単位の「ミリバール」が「ヘクトパスカル」に改められます。

災害対策基本法施行令

災害対策基本法施行令では、中央防災会議の事務を処理する組織が「内閣府本府」から「防災庁」に、「政策統括官」が「統括官」に改められます。整備法で災害対策基本法に復旧・復興を推進する本部の規定が新設されたことに合わせて、第7章の章名が「災害復旧」から「復旧復興」に改められます。

経過措置として、整備法の規定により新しい中央防災会議の委員として任命されたものとみなされる者の任期は、旧中央防災会議の委員としての任期の残任期間と同じとされます。

原子力防災は内閣府に残る

内閣府本府組織令の改正で、内閣府の所掌事務の書き方が「原子力災害(…)に関する災害予防、災害応急対策、災害復旧及び災害からの復興(原子力防災)に関する基本的な政策」に改められます。防災庁の発足後も、原子力災害に関する防災は引き続き内閣府が担うという整理です。

防災庁の庁舎の上空はドローン飛行禁止に

重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の施行令で、対象施設の表に「防災庁 東京都千代田区永田町一丁目6番1号に所在する庁舎」が加えられます。対象施設の指定などの手続は、政令の施行前でも内閣総理大臣が行うことができるとされています(附則第3条)。

そのほか

行政機関職員定員令、国家公務員倫理規程、情報公開法・個人情報保護法の施行令、政策評価法施行令、特定秘密保護法施行令、新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令、食料供給困難事態対策法施行令などに「防災庁」が加えられます。いずれも、ほかの府省庁と同じ扱いを防災庁に当てはめるための改正です。

防災庁設置法と整備法の中身

7月17日に公布された2本の法律(令和8年法律第61号・第62号)の主な内容です。

防災庁の任務と事務

防災庁は、防災に関する内閣の事務を内閣官房とともに助けるとともに、防災に関する行政事務の円滑かつ迅速な遂行を図ることを任務とします。所掌事務は、内閣の重要政策に関する事務(内閣補助事務)と、自ら実施する事務(分担管理事務)に分かれます。

  • 防災の施策に関する基本的な方針および計画、大規模な災害への対処に関する企画立案・総合調整、関係行政機関が講ずる施策の実施の推進
  • 中央防災会議、災害対策本部等の防災に関する組織の設置および運営
  • 国・地方公共団体・民間事業者等が防災計画等に基づき実施する事前防災の推進
  • 被災者や被災自治体の支援
  • 千島海溝地震、日本海溝地震、首都直下地震、南海トラフ地震等への対策

組織のかたち

  • 長および主任の大臣は内閣総理大臣とされ、防災庁の事務を統括する防災大臣が置かれます(第6条〜第8条)。
  • 内閣補助事務を遂行するため、防災大臣には関係行政機関の長に対する勧告権が与えられます。勧告を受けた関係行政機関の長には尊重義務が課されます。
  • 副大臣・大臣政務官一人に加えて、庁務を整理し各部局等の事務を監督する事務次官一人が置かれます(第9条、第10条、第12条)。
  • 中央防災会議は内閣府から防災庁に移管されます(第14条)。
  • 研修および研究を行う文教研修施設(防災大学校(仮称))を置くことが可能になります(第15条)。
  • 地方機関として防災局が置かれます(第16条)。

災害対策基本法・地震対策の特措法の改正(整備法)

  • 災害対策の基本理念に、科学的なリスク評価に基づく事前防災と、被災者の良好な生活環境の確保が追加されます(災害対策基本法第2条の2)。
  • 災害からの復旧および復興を推進するための本部に関する規定が、災害対策基本法に新設されます(第2章に新第4節)。
  • 日本海溝・千島海溝地震法と南海トラフ地震法に、リスク評価の結果、人口動態の変化、技術の進展等に応じて基本計画を見直す義務が新設されます。
  • 地方防災会議等が策定する推進計画の実効性を一層確保するため、国からの必要な情報の提供、助言等の援助を行う規定が追加されます。

誰に関係するか

住民が行う手続きはありません。 避難情報の出し方や、災害救助法・被災者生活再建支援法による支援の中身が11月2日に変わるわけではありません。

自治体の防災・危機管理の担当者にとっては、災害救助法・被災者生活再建支援法などの細目を定める命令の所管と、中央防災会議の事務局が内閣府から防災庁に移ることになります。照会先や通知の発出元が変わる点を確認しておくとよいでしょう。

出典

家族に説明するなら

災害への備えから復旧・復興までをまとめて担当する新しい役所『防災庁』が、2026年11月2日にできることが決まったよ。7月に法律ができたときは『2026年中のどこか』としか決まっていなかったけど、9月30日の政令で日にちがはっきりしたんだ。これまで内閣府が持っていた防災の仕事や、災害救助法などで国が決めるルールの一部が防災庁に移る。ただし原子力災害の防災はこれまでどおり内閣府が担当するよ。わたしたちが何か手続きをする必要はないよ。

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