令和8年(2026年)7月28日に発生した「令和8年熊本地震」の被災地について、労災保険の年金と石綿健康被害救済法の特別遺族年金の「定期報告書」の提出期限を延ばす告示が、令和8年9月2日に公布されました。
官報(本紙第1781号)に載った令和8年厚生労働省告示第333号(労災年金)と第334号(特別遺族年金)です。
受給権者が自分で延長を申し出る必要はありません。
定期報告書とは
労災保険の年金を受けている人は、毎年1回、所轄の労働基準監督署長に報告書を提出する義務があります(労働者災害補償保険法施行規則第21条第1項)。
提出の期限は、厚生労働大臣が指定する日として、昭和63年の労働省告示で定められています。受給権者の生年月日の属する月によって指定日が分かれる仕組みです。
石綿による健康被害の救済に関する法律の特別遺族年金にも、同じしくみの報告義務があります(同法施行規則第14条第1項)。こちらは平成18年の厚生労働省告示で指定日が定められています。
この報告書は、年金を受け取る資格がまだ続いているかを確認するためのものです。期限までに提出しないと、年金の支払いが一時差し止められることがあります。
誰が対象になるか
今回の告示で期限が延びるのは、次の両方に当てはまる人です。
1. 住所の要件
令和8年熊本地震に際し災害救助法が適用された市町村の区域に、令和8年7月28日において住所を有する受給権者。
令和8年熊本地震では、7月28日に熊本県の10市10町1村(21市町村)に災害救助法が適用されています。
基準になるのは住所です。県外に避難していても、住所が対象区域内にあれば対象になります。
2. 生年月日の要件
生年月日の属する月が7月から12月までの月に該当すること。
遺族補償年金・複数事業労働者遺族年金・遺族年金の受給権者については、受給権者本人ではなく、年金を支給すべき事由に係る労働者の生年月日で判定します。特別遺族年金も同じく、亡くなった労働者等の生年月日で判定します。
生年月日の属する月が1月から6月までの人は、今回の告示の対象外です。
何が変わるか
対象になる人が令和8年に報告書を提出すべき日は、もとの定めにかかわらず、
令和8年(2026年)12月28日
になります。
対象が7月から12月生まれの人に限られているのは、この期間に指定日が来る人が、地震の発生(7月28日)以後に期限を迎えるためです。
期限が延びても提出は必要
提出そのものが免除されるわけではありません。 延長後の期限である令和8年12月28日までに、所轄の労働基準監督署へ提出する必要があります。
被災して次のような状況になっている場合は、所轄の労働基準監督署に連絡してください。
- 報告書の用紙を紛失した、または届いていない
- 避難していて、自宅あての郵便物を受け取れていない
- 添付が必要な書類(住民票など)を市町村で取得できない
適用の時期
いずれの告示にも適用期日を定める規定は置かれていません。したがって、公布の日である令和8年9月2日から適用されます。
告示は、こども家庭庁・厚生労働省ではなく厚生労働大臣(上野賢一郎)単独の名で出されています。
出典
- 官報 令和8年9月2日(本紙 第1781号)1ページ「令和八年熊本地震に際し災害救助法が適用された市町村の区域における労働者災害補償保険法の規定に基づく年金たる保険給付の受給権者が報告書を提出すべき日を延長する件」(厚生労働省告示第333号)
- 官報 令和8年9月2日(本紙 第1781号)1ページ「令和八年熊本地震に際し災害救助法が適用された市町村の区域における石綿による健康被害の救済に関する法律の規定に基づく特別遺族年金の受給権者が報告書を提出すべき日を延長する件」(厚生労働省告示第334号)
- 労働者災害補償保険法施行規則(昭和30年労働省令第22号)第21条第1項
- 石綿による健康被害の救済に関する法律施行規則 第14条第1項