ブルーギル属全種・オヤニラミ属・マーレーコッド等が特定外来生物に追加 令和8年(2026年)9月1日施行 飼育中の人は6か月の経過措置(令和8年政令第248号)

何が起きたか

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令(平成17年政令第169号)を改正する政令が、令和8年(2026年)8月5日に公布されました(令和8年政令第248号・官報号外第176号)。施行は令和8年9月1日です。

根拠は外来生物法(平成16年法律第78号)第2条第1項および第30条で、政令には内閣総理大臣・農林水産大臣・環境大臣が署名しています。

この政令で、魚類の指定範囲が広がります。

何が特定外来生物になるか

ブルーギルが「属の全種」に

これまで別表第一にはブルーギル(Lepomis macrochirus)という1種が挙げられていました。改正後は「Lepomis属(ブルーギル属)全種」になります。

ブルーギル1種だけを見て「うちの魚は違う」と判断していた場合でも、同じ属の別種であれば9月1日から特定外来生物になります。

けつぎょ科にオヤニラミ属が加わる

けつぎょ科に、「オヤニラミ属(Coreoperca)に属する種のうち、オヤニラミ(Coreoperca kawamebari)以外のもの」が加わります。

オヤニラミそのものは対象外です。オヤニラミは日本の在来種で、指定されるのは同じ属の外国産の種です。政令の条文も、オヤニラミを明示的に除いています。

ペルキクティス科が新設される

別表第一にペルキクティス科が新たに設けられ、次の2種が指定されます。

和名学名
マーレーコッドMaccullochella peelii
ゴールデンパーチMacquaria ambigua

いずれもオーストラリアの淡水魚です。

交雑種も対象

別表第二は、交雑によって生じた生物を特定外来生物とするための表です(施行令第1条第2号)。ここのサンフィッシュ科に、ブルーギル属に属する種どうしが交雑して生じた生物が加わります。その生物の子孫も含まれます。

科名の整理

あわせて、別表第一の「たてがみとかげ科」が「イグアナ科」に、「イクタルルス科」が「アメリカなまず科」に改められます。これは科の名称の整理で、規制の対象範囲が変わるものではありません。

指定されると何が禁止されるか

環境省の説明によると、特定外来生物に指定されたものは次のとおり規制されます。

  • 飼育・栽培・保管・運搬(あわせて「飼養等」)が原則禁止。研究目的などで、逃げ出さないよう適正に管理する施設を持っているといった特別な場合には許可されます
  • 輸入が原則禁止。飼養等の許可を受けている者は輸入できます
  • 野外へ放つ・植える・まくことが原則禁止
  • 許可を受けて飼養等する者が、許可を持っていない者に譲渡し・引渡しをすることが禁止
  • 販売も禁止
  • 許可を受けて飼養等する場合は、あらかじめ定められた「特定飼養等施設」内でしか飼養等できません

なお、野外で捕まえてその場ですぐ放すこと(釣りの「キャッチアンドリリース」)は規制の対象になりません。持ち帰ることは運搬に当たるため禁止されます。

いま飼っている人はどうなるか——6か月の経過措置

政令の附則第2項が経過措置を置いています。

この政令の施行の際現にこの政令の改正により新たに特定外来生物となる外来生物の飼養等をしている者は、この政令の施行の日から起算して六月を経過する日までの間は、同法第四条の規定にかかわらず、引き続き当該外来生物の飼養等をすることができる。その者が、その期間内に同法第五条第一項の許可の申請をした場合において、当該期間を経過したときは、当該申請について許可又は不許可の処分がある日までの間も同様とする。

読み方は2段階です。

  1. 施行日(9月1日)に現に飼っている人は、施行日から起算して6月を経過する日までは、そのまま飼い続けられます
  2. その期間内に飼養等の許可を申請しておけば、期間が過ぎても、許可・不許可の処分が出る日までは飼い続けられます

経過措置が外すのは「飼養等」だけです

ここが実務上いちばん間違えやすいところです。附則が適用を外しているのは、法第4条(飼養等の禁止)だけです。

したがって、輸入・譲渡し・引渡し・販売・野外への放出は、9月1日から禁止されます。手放したいからといって他人に譲ることはできませんし、販売業者が在庫を売り切ることもできません。野外に放すことは、経過措置とは関係なく禁止です。

飼えなくなった場合の扱いは、地方環境事務所に相談してください。

同じ日に施行される省令

同じ9月1日に、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和8年農林水産省・環境省令第7号・令和8年8月28日公布/官報号外第192号)が施行されます。

こちらは施行規則の別表第四(種類名証明書の添付が必要な生物)に、けつぎょ科のオヤニラミ属(Coreoperca)全種・ケツギョ属(Siniperca)全種、サンフィッシュ科の交雑種などを加えるものです。輸入の際に種類名証明書の添付が必要になる生物を定める表で、政令による指定に対応した手続面の改正です。省令の附則も、政令第248号の施行の日(令和8年9月1日)から施行すると定めています。

注意点

  • 環境省の「特定外来生物等一覧」は、本記事の確認時点(令和8年8月30日)ではまだ改正前の内容です。 ブルーギルが種単位で載っており、オヤニラミ属の記載もありません。9月1日以後の正確な指定範囲は、政令の別表(e-Gov法令検索の改正後条文)で確認してください
  • 指定は属単位のものがあります。 ブルーギル属・オヤニラミ属は属全体(オヤニラミを除く)が対象なので、手元の魚の種名がリストに無くても、属が一致すれば対象です。判断に迷う場合は地方環境事務所に問い合わせてください
  • 経過措置の期間の数え方は「施行の日から起算して6月を経過する日まで」です。末日がいつになるかで迷わないよう、期限ぎりぎりではなく早めに申請してください
  • アカミミガメ・アメリカザリガニのような「条件付特定外来生物」(規制の一部が適用除外され、一般家庭での飼育が手続きなしでできるもの)の扱いは、今回追加される魚類には設けられていません

公式リンク

根拠

  • 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和8年政令第248号・令和8年8月5日公布/官報号外第176号)
  • 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和8年農林水産省・環境省令第7号・令和8年8月28日公布/官報号外第192号)
  • 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)
  • 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令(平成17年政令第169号)

家族に説明するなら

外国から来た生き物のうち、日本の自然に大きな被害を出すものは「特定外来生物」に指定されて、飼ったり売ったり運んだりすることが禁止されるんだ。2026年9月1日から、この仲間に魚がいくつか加わるよ。これまでは「ブルーギル」という1種類だけだったのが、その仲間(ブルーギル属)全部になる。ほかにオヤニラミの外国の仲間や、オーストラリアのマーレーコッド、ゴールデンパーチも入るんだ。もう飼っている人は、すぐ手放さなくてもよくて、6か月のあいだに国に許可をお願いすれば飼い続けられる。でも、人にあげたり売ったりするのは9月1日からダメになるよ。川や池に放すのは絶対にいけない。

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