行政・手続き 重要度: 中

短期滞在の在留期間を法務大臣が日単位で指定できるように 令和8年9月1日公布・施行(令和8年法務省令第48号)

在留資格「短期滞在」の在留期間について、法務大臣が個々の外国人ごとに90日を超えない範囲で日数を指定できるようにする省令改正が、令和8年(2026年)9月1日に公布され、同日施行されました。令和8年法務省令第48号(出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令)で、令和8年9月1日の官報(本紙第1780号)に掲載されています。附則は「この省令は、公布の日から施行する。」と定めています。

観光や親族訪問、短期の商用などで日本に来る人に関わる、在留期間の決め方の見直しです。

何が変わったのか

改正されたのは、入管法施行規則の別表第二(第三条関係)にある「短期滞在」の在留期間の欄です。

在留期間の定め
改正前九十日、三十日又は十五日以内の日を単位とする期間
改正後九十日若しくは三十日又は十五日以内の日を単位とする期間(法務大臣が個々の外国人について九十日を超えない範囲内で日を単位とする期間を指定する場合にあつては、当該指定する期間)

ポイントは次のとおりです。

  • 「90日」「30日」「15日以内の日を単位とする期間」という従来の枠組みはそのまま残ります。
  • これに加えて、法務大臣がその人について90日を超えない範囲で日を単位とする期間を指定したときは、指定された期間が在留期間になります。
  • 上限の90日は変わりません。 滞在できる日数の上限が延びるという内容ではありません。
  • 下限も変わりません。 出入国在留管理庁は、改正前の規定にも「十五日以内の日」という定めがあったため、下限を変更するものではないと説明しています。

出入国在留管理庁は改正の趣旨を、「短期滞在」の在留期間について「現行の枠組みを維持する一方で、一部の外国人について弾力的な在留期間の決定を行う必要があることから、見直しを行おうとするもの」と説明しています。

意見募集の結果

意見募集(パブリックコメント)は令和8年6月27日から7月26日まで行われ、255件の意見が寄せられました。結果は令和8年9月1日に公示され、提出意見を踏まえた案の修正はありませんでした(案件番号315000135)。

指摘された課題

意見募集に寄せられた意見と、出入国在留管理庁の考え方のうち、主なものは次のとおりです(いずれも同庁が公表した「意見募集結果・別紙」から)。

  • 立法事実がなく、背景・理由・目的の記載がない(意見1)。同庁は、現行の枠組みを維持しつつ一部の外国人について弾力的な在留期間の決定を行う必要があるためと回答しています。
  • 従来の15日・30日・90日の枠組みを実質的に解体し、広範な裁量に置き換えるものだ(意見2)/法務大臣の裁量を追加する必要がなく、恣意的な運用を懸念する(意見3)。同庁は、枠組みを解体し広範な裁量に置き換えるものではないとしたうえで、「適切な運用に努めてまいります」と回答しています。
  • 目的・判断基準・濫用防止措置・在留管理への影響の検証方法を明確にし、公表した上で実施すべきだ(意見17)。これに対して同庁は、「現行の枠組内において一部の外国人を対象とするものであり、これまでの運用に則して適切に運用することが可能であるため、新たに判断基準等を定め、公表することは考えておりません」と回答しています。
  • 在留期間を細かく個別判断すると審査・運用に携わる職員の負担が増えることを懸念する。判断基準の明確化、地方局への権限委任、十分な人員・体制の整備を進めるべきだ(意見9)。同庁の回答は「御意見も踏まえつつ、適切な運用に努めてまいります」です。
  • 「90日・30日・15日」の3パターンを残す必要はないという意見(意見7)に対しては、あらかじめ目安となる期間を法令上明確にしておくことで、外国人にとって決定される在留期間の予測が可能になり、入国審査官も上陸審査や在留審査を迅速・効率的に行えるため、引き続き規定すると回答しています。

「判断基準を定めて公表することは考えていない」という回答は、意見17に対する同庁自身の説明です。当サイトの評価ではありません。

在留期間を過ぎたときの扱いは変わりません

意見募集では、90日を超えて在留する場合の罰則の必要性を指摘する意見(意見13)も出ました。出入国在留管理庁は、在留期間を経過して本邦に残留する場合は入管法第70条第1項第5号により罰則の対象になると回答しています。今回の改正でこの点は変わりません。

決定された在留期間は、上陸許可の際の証印などで確認できます。日単位で指定された場合は日数がこれまでより細かくなりうるため、出国予定日との関係をそのつど確認してください。

関連する記事

出典

  • e-Govパブリック・コメント「「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案」に係る意見募集の結果について」(案件番号315000135/結果の公示日 令和8年9月1日/命令等の公布日 令和8年9月1日)
  • 出入国在留管理庁「意見募集結果」「意見募集結果・別紙」(令和8年9月1日)
  • 官報 令和8年9月1日(本紙 第1780号)「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令(法務四八)」
  • 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第2条の2第3項、第70条第1項第5号

家族に説明するなら

観光や親族訪問で短い期間だけ日本に来る外国の人には「短期滞在」という在留資格があって、滞在できる期間が決まっているよ。これまでの90日・30日・15日以内という決め方に加えて、法務大臣がその人ごとに「◯日」と日数を指定できるしくみが加わったんだ。2026年9月1日に正式に決まって、その日から始まっているよ。長くいられるようになるわけではなくて、上限の90日は変わらないからね。

本記事は公式情報をもとにした要約です。最新かつ正確な情報、申請条件、期限は必ず公式ページでご確認ください。