医薬品副作用被害救済制度の「対象とならない医薬品」が改正 令和8年(2026年)8月24日公布 パブコメを省略した理由も公示

令和8年(2026年)8月24日、医薬品等副作用被害救済制度の対象とならない医薬品等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第327号)が公布されました(官報本紙第1774号)。平成16年厚生労働省告示第185号の一部改正です。

同日、e-Govパブリック・コメントに「意見公募手続を実施しなかった理由について」(案件番号495260157)が公示されています。

医薬品副作用被害救済制度と「除外医薬品」

医薬品副作用被害救済制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害について、医療費・医療手当・障害年金・遺族年金などの給付を行う制度です。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が運営しています。

ただし、この制度にはすべての医薬品が入るわけではありません。独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成14年法律第192号)第4条第6項第1号に基づき、厚生労働大臣が指定した医薬品等は、救済給付の対象から外れます。この指定を定めているのが平成16年厚生労働省告示第185号「医薬品等副作用被害救済制度の対象とならない医薬品等」で、今回改正されたのがこの告示です。

厚生労働省は、意見公募手続を実施しなかった理由の中で、この仕組みの趣旨を次のように説明しています。

医薬品等の使用に当たり相当の頻度で高い副作用の発生が予想されること等を勘案して厚生労働大臣の指定が行われる

つまり、もともと高い頻度で強い副作用が出ることが見込まれる医薬品——具体例として厚生労働省は「抗がん剤等」を挙げています——は、副作用が生じても救済制度の対象にならない、という設計です。

なぜパブリックコメントが省略されたのか

命令等を定めるときは、行政手続法により、あらかじめ案を公示して意見を募集するのが原則です(行政手続法第39条第1項)。今回の告示ではそれが行われていません。

厚生労働省が公示した理由は次のとおりです。

医薬品等の使用に当たり相当の頻度で高い副作用の発生が予想されること等を勘案して厚生労働大臣の指定が行われるため、当該医薬品等が承認を受ける前に指定を行うことはできない一方で、医薬品等が承認を受けた後、当該医薬品等が除外医薬品として指定される前に副作用被害が発生し、副作用被害救済給付の対象になると、抗がん剤等を除外医薬品等として救済制度の対象外としている法の趣旨を没却することとなるため、医薬品等が承認を受けた後に速やかに告示する必要があるものであり、行政手続法(平成5年法律第88号)第39条第4項第1号に該当するため、意見公募手続を実施いたしませんでした。

行政手続法第39条第4項第1号は、「公益上、緊急に命令等を定める必要があるため、意見公募手続を実施することが困難であるとき」に意見公募手続を要しないと定めています。承認から告示までの間に空白ができると制度の建て付けが崩れるため、承認後すみやかに告示する——というのが厚生労働省の説明です。

この種の告示は、新しい医薬品が承認されるたびに繰り返し行われており、そのつど同じ理由が公示されています。

同じ日に出た関連の省令・告示

令和8年8月24日付の官報本紙第1774号には、医薬品に関する次の省令・告示が並んで掲載されています。

番号題名
令和8年厚生労働省令第133号医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令
令和8年厚生労働省告示第326号薬機法第49条第1項の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医薬品(平成17年厚生労働省告示第24号)の一部を改正する件
令和8年厚生労働省告示第327号医薬品等副作用被害救済制度の対象とならない医薬品等(平成16年厚生労働省告示第185号)の一部を改正する件

省令第133号の附則は「この省令は、公布の日から施行する」としています。薬機法第49条第1項の指定医薬品は、いわゆる処方箋医薬品(医師等の処方箋がなければ薬局が販売・授与できない医薬品)の指定です。

新しい医薬品が承認されると、劇薬などの指定、処方箋医薬品の指定、そして救済制度の対象外とするかどうかの指定が、このように同じ日付でまとめて手当てされる形になっています。

救済給付を請求するときに確認すること

副作用による健康被害で救済給付を請求しようとする場合、使用した医薬品が除外医薬品に当たるかどうかで結論が変わります。判断に迷う場合は、PMDAの救済制度相談窓口に確認するのが確実です。

制度そのものの対象範囲、給付の種類、請求期限、請求に必要な書類はPMDAのサイトに掲載されています。請求には診断書・投薬証明書・販売証明書など医療関係者の作成する書類が必要になるため、医療機関や薬局への相談も早めに行うのが実務的です。

出典

家族に説明するなら

薬を正しく使ったのに重い副作用が出てしまったとき、国の制度でお金の助けを受けられる仕組みがあるんだ。でも、抗がん剤みたいに、もともと強い副作用が出ることがわかっている薬は、その仕組みの対象から外されているよ。2026年8月24日に、その『対象から外す薬』のリストが更新されたんだ。

本記事は公式情報をもとにした要約です。最新かつ正確な情報、申請条件、期限は必ず公式ページでご確認ください。