行政・手続き 重要度: 高

在留許可手数料が令和8年10月1日から引上げ 在留資格変更・在留期間更新は1万円〜7万5千円、永住許可は20万円(令和8年政令第268号)

令和8年(2026年)10月1日から、在留許可手数料が引き上げられました。在留資格の変更と在留期間の更新は、改定前の一律6,000円(オンライン5,500円)から、決定される在留期間に応じた1万円〜7万5千円に変わりました。永住許可は10,000円から20万円になりました。

根拠は、令和8年8月28日に公布された次の3本です(いずれも官報号外第192号)。

  • 令和8年政令第267号 — 改正入管法(令和8年法律第32号)附則第1条第2号に掲げる規定の施行期日を令和8年10月1日と定める政令
  • 令和8年政令第268号 — 出入国管理及び難民認定法施行令および日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令(手数料の額を定める)
  • 令和8年法務省令第47号 — 出入国管理及び難民認定法施行規則等の一部を改正する省令

出入国在留管理庁は同じ8月28日、ホームページに「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」と「令和8年10月1日以降における在留許可手数料の減額措置又は免除措置について」を掲載しています。

手数料の上限額は、令和8年6月5日公布の改正入管法(令和8年法律第32号)で、在留資格の変更・在留期間の更新は10万円、永住許可は30万円に引き上げられていました。今回の政令は、その上限の範囲内で実際の額を定めるものです。

新しい手数料額

在留資格の変更・在留期間の更新(改正後の入管法施行令第25条第1項第1号)

決定される在留期間窓口電子申請
3月以下1万円1万円
3月超6月以下1万8,000円1万5,000円
6月超1年未満2万5,000円2万1,000円
1年3万3,000円2万7,000円
1年超3年未満4万8,000円4万2,000円
3年以上5年未満6万4,000円5万6,000円
5年以上7万5,000円6万5,000円

改定前は在留期間にかかわらず窓口6,000円・オンライン5,500円でした。3月以下の区分だけは電子申請による差が設けられていません。

手数料の額は、申請した在留期間ではなく、許可に伴って実際に決定される在留期間で決まります。 出入国在留管理庁は意見に対する考え方の中で、在留期間は在留資格や個別の事情に応じて決定されるもので必ずしも希望どおりにはならないとしたうえで、「より高額な在留許可手数料を徴収することを目的に、必要以上に長い在留期間を決定するような運用はいたしません」と説明しています。

永住許可・再入国許可(同項第2号〜第4号)

区分窓口電子申請
永住許可20万円(区分なし)
再入国許可(数次を除く)4,000円3,500円
数次再入国許可7,000円6,500円

永住許可の改定前の額は窓口10,000円でした。

カード・証明書の交付(新設の第25条の2)

交付の区分窓口電子申請
特定登録者カードの交付(再交付を除く)4,000円—
特定登録者カードの再交付2,000円—
就労資格証明書の交付2,000円1,600円
在留カードの交付1,900円—
難民旅行証明書の交付4,800円—

減額・免除の仕組み

改正入管法第67条第3項は、「経済的困難その他特別の理由により手数料を減額し、又は免除することが相当である者として政令で定める者」について、手数料を減額または免除できるとしています。政令第268号は、その対象者を第25条第2項に4つ置きました。

号対象者効果
第1号生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に生活に困窮していると認められる者で、難民の認定または補完的保護対象者の認定を受けている者その他の人道上の配慮をする必要があるもの減額(第3項)
第2号「外交」または「公用」の在留資格への変更を受ける者免除(第4項)
第3号「公用」の在留資格をもって在留する者で、在留期間の更新を受けるもの免除(第4項)
第4号前2号に準ずるものとして法務省令で定める者免除(第4項)

減額の下限は、在留資格変更・在留期間の更新が1万円、永住許可が2万円です(第3項)。減額の対象になるのは第1項第1号のうちイ(3月以下)を除く部分と、第2号(永住許可)です。

第4号の「法務省令で定める者」は、令和8年法務省令第47号で次のとおり定められました。

  • 「特定活動」への変更を受ける者で、台湾日本関係協会の本邦の事務所の職員またはその同一世帯の家族としての活動を特に指定されるもの
  • 「特定活動」への変更を受ける者で、駐日パレスチナ総代表部の職員またはその同一世帯の家族としての活動を特に指定されるもの
  • 上記の活動を指定されて在留する者で、在留期間の更新を受けるもの

「外交」「公用」については、これまでも国際慣行や国際礼譲を踏まえて手数料を徴収していませんでしたが、今回その点を政令に明記した、というのが出入国在留管理庁の説明です。

減額対象者のガイドライン

減額の対象となる第1号については、運用の明確性・透明性を担保し申請者の予見可能性を確保するため、「在留資格の変更又は在留期間の更新の許可に係る手数料の減額対象者のガイドライン」が作られました。案は令和8年7月3日から8月2日まで意見募集にかけられ、1,675件の意見が寄せられたうえで、8月28日に出入国在留管理庁ホームページで公表されています。

ガイドラインは2段構えで、1の(1)〜(4)のいずれか(生活困窮の側面)と、2の各号のいずれか(人道上の配慮の側面)の両方に該当する者を想定しています。

1(生活に困窮していると認められる者)

  1. 生活保護法の取扱いに準じた保護を受けている外国人
  2. 難民認定申請者等に対する保護措置を受けている外国人(保護費の支給を受けている者に限る)
  3. 中国残留邦人等支援法第14条第1項の支援給付を受けている外国人
  4. 上記と同程度に困窮していると認められる外国人

2(人道上の配慮をする必要があるもの) は、難民・補完的保護対象者・第三国定住難民・インドシナ難民・中国残留邦人等として「定住者」で在留する人、難民認定申請中で「特定活動」に変更する人、人身取引等の被害者、児童福祉法の措置が行われている児童、指定難病の患者や特別障害者とその監護・養育者、障害児の監護・養育者などの類型が並びます。

意見募集を踏まえて追加された類型が2つあります。

  • 2(11) ひとり親家庭への配慮を求める意見を踏まえ、「日本人または特別永住者の実子を単独で監護・養育している外国人で「特定活動」への変更を受ける者等」を追加
  • 2(12) 列挙以外は一切対象にならないのかという指摘を踏まえ、「(1)から(11)までに掲げる者のほか、引き続き本邦での在留を認めないことが人道的見地から酷であると認められる事情がある者」を追加

出入国在留管理庁は、このガイドラインは「減額対象者に該当し得るケースとして想定されるものを列挙したものであり、減額対象となるか否かの判断基準として定めたものではありません」と説明しています。列挙されたもの以外が一切対象にならないわけではなく、想定されない対象者が生じる場合は個別に判断するとしています。

一方で、減額は権利ではありません。庁は「法務大臣が一定の場合に在留許可手数料を減額し、又は免除することができることとするものであって、外国人に対し、一定の場合に在留許可手数料が減額され、又は免除されるという実体法上の権利又は法的利益を与えるものではない」とし、減額が認められなかった場合の不服申立てはできないとしています。減額の手続については「今後、適切な方法により明らかにしてまいります」との回答にとどまっています。

額の根拠

出入国在留管理庁が示した積算は次のとおりです。改正入管法第67条第2項が、①審査に要する実費、②外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用の額、③諸外国における同種の手数料の額を勘案すると定めていることによります。

  • ①審査に要する実費 — 在留資格変更・更新は1万円程度(人件費6,300円+物件費3,300円)、永住許可は2万円程度
  • ②応益的要素 — 外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用の額を572億円程度、中長期在留外国人数(永住者・特別永住者を除く)を約291万人として、1人あたり年間2万円程度
  • ③政策的要素 — オンライン申請の促進のため、窓口申請との間に3,000円〜1万円の差を設ける

572億円の内訳は、出入国在留管理庁が実施する施策の費用が377億円程度、関係省庁等が実施する「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」に盛り込まれた取組等の費用が195億円程度と説明されています。

在留期間5年の場合の積算は、応益的要素が単純計算では10万円(5年×2万円)になるところ、在留状況の良好性等を考慮した優遇措置として6万円とし、実費1万円を加え、オンラインとの差5,000円を上下に振り分けて窓口7万5,000円・オンライン6万5,000円としています。在留期間が長くなるほど、1年あたりの負担は下がる設計です。

永住許可の20万円は、実費2万円に加え、永住許可を受けた後の在留期間の平均が13.5年程度であることから、在留期間5年の場合(6万円)の3倍の18万円を応益的要素としたものです。

指摘された課題

政令案の意見募集は令和8年7月3日から8月2日まで行われ、6,175件の意見が寄せられました。賛成・反対の双方があり、出入国在留管理庁の考え方も両方向に示されています。

令和7年4月に上げたばかりではないか(意見No.7)——庁は、令和7年4月の時点では入管法上の上限額が1万円だったためその範囲内で引き上げたと説明し、その後、審査の実費の増大と施策の強化に必要な財源確保のために法律を改正して上限額自体を10万円・30万円に引き上げた、という経緯を答えています。

実費以外を上乗せするのは不合理ではないか(意見No.10)——庁は、在留許可処分は「我が国に自由に入国・在留する権利を有するものではない外国人に対し、我が国に在留して一定の活動を行うことができる法的地位を創設するもの」で、手数料は「許可処分に対する対価としての性格を有する」ことから、実費以外に応益的要素・政策的要素を勘案できるとしています。

憲法第14条・自由権規約第26条に反しないか(意見No.12)——「日本国籍を有していないという理由だけで自身と無関係な施策のための費用を負担させるのは平等原則に反する」という指摘に対し、庁は、施策による受益の程度は個々の外国人によって異なり得るものの、施策自体は出入国・在留の公正な管理を図るためのもので「その利益は広く我が国に在留する外国人が享受することとなる」として、指摘は当たらないと回答しました。

不法滞在者対策の費用を正規在留者に負担させるのか(意見No.14)——庁は、安全・安心を脅かす外国人の入国・在留を阻止し確実に退去させることは出入国在留管理行政の中核をなす業務であり、その費用は「外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用」に含まれると回答しています。

世帯人数が多い家庭の負担(意見No.42・43)——「家族で滞在する外国人や非就労資格の外国人に過度な負担ではないか」「世帯全体の上限額を設けるべきではないか」という指摘に対し、庁は、在留資格の変更・更新の許否判断で「日常生活において公共の負担になっておらず、かつ、その有する資産又は技能等から将来において安定した生活が見込まれるか」を確認していることから、許可を受ける外国人は通常この手数料を納付できると考えられるとし、世帯全体の上限額は設けないとしました。

手数料を払えず非正規滞在になる人が増えるのではないか(意見No.44)——庁は、各種施策を充実させることが不法残留者の発生防止に有効であって、引上げが不法残留者の増加につながるとは考えていないと回答しています。

諸外国と比べて高すぎるのではないか(意見No.28)——韓国(就労資格1万1,000円・最長3年)、ドイツ(1万6,000円・最長4年)、イタリア(2万9,000円)、フランス(5万8,000円)と比較して高額だという指摘に対し、庁は、諸外国の額は「不当に高くないか、あるいは不当に安くないかを検討する際の指標として、政策的に勘案するもの」だと説明しています。比較対象は米国・英国・カナダ・フランス・イタリア・ドイツ・韓国の7か国で、米国は約110万円、英国は約74万5,000円とされています。

短期滞在90日の不均衡(意見No.22)——「短期滞在で90日の在留期間が決定されると『3月を超え』るため窓口1万8,000円になるが、3月以下の場合もあり不均衡ではないか」という指摘に対し、庁は「御指摘の点を踏まえ、許可を受ける外国人に必要以上の負担を強いることがないよう、適切に運用を検討してまいります」と回答しました。具体的な運用は示されていません。

施行日を遅らせるべきではないか(意見No.85)——「周知・準備期間を確保するため、できる限り令和9年3月31日に近い日とすべき」という意見に対し、庁は、可能な限り速やかに引き上げる必要があるとしたうえで、周知・広報の期間を踏まえて令和8年10月1日としたと答えています。

駆け込み申請(意見No.86)——庁は、在留期間の更新の申請は満了のおおむね3か月前から受け付けており、それより前に申請しようとする者には原則として3か月以内に申請するよう案内することになる、と回答しています。

減額の申請手続(意見No.60)——「部分的な減額を行う際の基準、申請時期、必要書類、減額が認められなかった場合の不服申立て」を明らかにすべきという意見に対し、庁は前述のとおり実体法上の権利ではないとして基準を明らかにする必要はないとし、手続等は「今後、適切な方法により明らかにしてまいります」としています。

いつから

令和8年(2026年)10月1日から施行されました(政令第268号 附則第1条)。

附則には経過措置が置かれていますが、対象は限定されています。

  • 附則第2条 — 施行の日前にされた特定在留カードの交付申請に係る手数料の納付については、なお従前の例による
  • 附則第3条 — 施行の日前にされた特定特別永住者証明書の交付申請に係る手数料の納付については、なお従前の例による

在留資格の変更・在留期間の更新・永住許可の手数料そのものについては、申請日を基準とする経過措置は置かれていません。 手数料は入管法第67条第1項により「許可を受ける者」が納付するものです。10月1日をまたぐ申請の取扱いについては、出入国在留管理庁の案内を確認してください。

誰に関係するか

直接の名宛人は、在留資格の変更・在留期間の更新・永住許可を受ける外国人本人です。庁は、手数料は「在留許可処分を受ける外国人が納付すべきもの」であり、受入機関や関係団体が納付するべきという意見は採らないと回答しています(ガイドライン案への意見No.5)。ただし、実務上は企業が負担している例もあるため、外国人を雇用している事業者は負担のルールを社内で整理しておく必要があります。

在留期間1年の更新を毎年繰り返す場合、窓口申請なら年3万3,000円、オンラインなら年2万7,000円が継続的にかかります。3年の在留期間が決定される場合は4万8,000円(オンライン4万2,000円)を3年に一度です。在留期間が長いほど1年あたりの負担は下がる設計になっているため、更新のたびに決定される在留期間が実質的な負担額を左右します。

出典

家族に説明するなら

日本で暮らす外国の人は、在留カードの期限を延ばしたり、資格を変えたりするときに、国にお金(手数料)を払うんだ。これまでは6,000円だったけど、2026年10月1日からは、もらえる期間の長さによって1万円から7万5千円に上がったよ。ずっと日本に住める「永住」の許可は、1万円から20万円になったんだ。オンラインで申請すると少し安くなる。生活にとても困っている人や、難民として認められた人などは、安くしてもらえる仕組みも用意されたよ。

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