パート・アルバイトや契約社員(有期雇用労働者)、派遣で働く人の待遇改善を進める**「同一労働同一賃金」について、関係する施行規則と指針(ガイドライン)を改正する省令・告示が公布されました。改正省令は令和8年厚生労働省令第87号**で、令和8年(2026年)4月28日に公布され、令和8年10月1日に施行されます。所管は厚生労働省です。
「同一労働同一賃金」は、正社員(通常の労働者)と、パート・有期・派遣で働く人との間の不合理な待遇差をなくすという考え方で、パートタイム・有期雇用労働法と労働者派遣法にもとづく仕組みです。今回はその施行5年後の見直しの一環として、ルールが一部強化されます。
何が変わるのか
主な改正は次の3点です。
1. 雇入れ時の説明事項の追加
会社が人を雇い入れるときに明示する労働条件に、「正社員との待遇差の内容・理由について、会社に説明を求めることができる」旨が追加されます。採用の段階から、待遇差について説明を求められることが分かるようになります。
2. 同一労働同一賃金ガイドラインの改正
不合理な待遇差にあたるかどうかの目安を示す**「同一労働同一賃金ガイドライン」**に、次の項目についての記載が新たに追加されます。
- 賞与、退職手当
- 無事故手当、家族手当、住宅手当
- 福利厚生施設、病気休職
- 夏季冬季休暇、褒賞(表彰)
これまでも基本給や一部の手当などが対象とされてきましたが、対象となる待遇の考え方がより具体的に示されます。
3. 待遇差の説明方法の明確化
働く人から待遇差の内容・理由について説明を求められたとき、会社は、資料を活用して口頭で説明する方法、または説明すべき事項をすべて記載した分かりやすい資料を交付する等の方法のいずれかで説明する必要があることが明確化されます。
いつから始まるのか
改正省令・告示の公布は令和8年(2026年)4月28日で、施行は令和8年(2026年)10月1日です。改正後のルールは、施行日以降に適用されます。
事業主には、施行日までに自社の制度を点検することが求められています。
誰に関係するか
直接の対象は、パート・アルバイト、契約社員などの有期雇用労働者、派遣労働者と、これらの人を雇用する**事業主(派遣元・派遣先を含む)**です。
働く人にとっては、正社員との待遇差の内容や理由について、会社に説明を求めやすくなります。正社員と比べて賞与や各種手当、休暇などに差があり、その理由に疑問がある場合は、会社に説明を求めることができます。
事業主にとっては、施行日までに、労働条件の明示内容(労働条件通知書など)、就業規則、待遇差を説明するための体制を点検・準備する必要があります。判断に迷う場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)などで相談を受け付けています。
なお、退職して次の仕事を探す場合の失業手当(雇用保険の基本手当)など、雇用に関する制度もあわせて確認しておくとよいでしょう。
出典
- 同一労働同一賃金特集ページ(厚生労働省)
- 「同一労働同一賃金」に関する改正省令・告示が公布されました(人事労務マガジン特集第246号・厚生労働省)
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則及び短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第87号・令和8年4月28日公布)