十勝岳の噴火警戒レベルが3(入山規制)に引上げ 62-2火口から概ね3kmの範囲は警戒 令和8年(2026年)9月12日

令和8年(2026年)9月12日09時30分、札幌管区気象台は十勝岳に噴火警報(火口周辺)を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。

9月14日16時に発表された火山の状況に関する解説情報(第23号)でも、レベル3は継続しています。

発表の概要

項目内容
情報発表時刻令和8年9月12日09時30分
発表官署札幌管区気象台
情報種別噴火警報(火口周辺)
噴火警戒レベル2(火口周辺規制)→ 3(入山規制)
警戒範囲62-2火口から概ね3km
火山の位置北緯43度25分04秒・東経142度41分11秒/標高2,077m

何が起きているのか

気象庁が示している火山活動の状況は次のとおりです。

  • 十勝岳では熱活動が高まった状態が続く中で、8月17日以降、山体付近を震源とする振幅の大きな火山性地震が増加しています。
  • 62-2火口および振子沢噴気孔群付近では、熱活動の高まりが認められています。
  • 令和8年3月以降、山体付近のやや深部の膨張を示す地殻変動が継続しています。
  • 令和8年4月以降、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加しています。

9月14日16時の解説情報(第23号)は、8月17日以降の振幅の大きな火山性地震(硫黄沢観測点で最大振幅2マイクロメートル以上)の発生状況を次のように示しています。

日回数
8月17日1回
8月20日2回
9月12日2回
9月13日1回

一連の地震で最も大きかったのは9月12日8時20分頃の地震で、最大振幅は山麓の硫黄沢観測点で約24マイクロメートルでした。レベルの引上げはその約1時間10分後です。

また、13日夕方以降、62-2火口付近の浅部を震源とする火山性地震が増加しています。ただし14日15時現在、噴煙・噴気の状況や傾斜変動に特段の変化はありません。

噴火は発生していません。 引上げは「火口から概ね3kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性がある」という判断によるものです。

警戒が必要な範囲と対象市町村

気象庁は、防災上の警戒事項として次を挙げています。

  • 62-2火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴い弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
  • 地元自治体などの指示に従って、危険な地域には立ち入らないでください。
  • 風下側では、火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。

噴火警報が対象市町村として挙げているのは、北海道の次の5市町村です。

富良野市、美瑛町、上富良野町、南富良野町、新得町

これらの市町村では、火口周辺で入山規制などの警戒をするよう求められています。

噴火警戒レベル3(入山規制)とは

噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲」と「とるべき防災行動」を5段階で示すものです。

レベルキーワードとるべき防災行動
1活火山であることに留意状況に応じて火口内への立入規制等
2火口周辺規制火口周辺への立入規制等
3入山規制登山禁止や入山規制等、危険な地域への立入規制等。状況に応じて高齢者等の要配慮者の避難の準備等
4高齢者等避難警戒が必要な居住地域での高齢者等の要配慮者の避難、住民の避難の準備等
5避難危険な居住地域からの避難等

レベル3は登山の禁止や入山の規制など、危険な地域への立入りが規制される段階です。居住地域からの避難が必要な段階(レベル4・5)ではありません。

積雪期はレベル4の判定基準になる

十勝岳で注意しておきたいのは、レベル4の引上げ基準です。気象庁が令和3年3月26日付けで定めている十勝岳の噴火警戒レベル判定基準は、レベル4を次のように書いています。

【居住地域に被害を及ぼす噴火の可能性】 積雪期に噴火警戒レベル3の判定基準を満たした場合

つまり十勝岳では、火山活動の状況が今と同じままでも、積雪期に入ればレベル4(高齢者等避難)の基準を満たすことになります。融雪型火山泥流が居住地域まで達するおそれがあるためです。レベル5の基準にも「火砕流・火砕サージ、融雪型火山泥流が発生」が挙げられています。

北海道の山は例年9月下旬から10月にかけて初冠雪を迎えます。今回のレベル3が長引いた場合、季節の移り変わりだけでレベルが上がる可能性があるという点は、周辺にお住まいの方はあらかじめ知っておいたほうがよい情報です。

なお、レベルの引下げについては、レベル3の判定基準を満たさなくなってから概ね1か月経過した段階でレベル2以下へ引き下げるとされています。すぐに戻るものではありません。

次の情報

9月14日16時の解説情報(第23号)は、次の火山の状況に関する解説情報を9月18日(金)16時頃に発表する予定としています。火山活動の状況に変化があった場合は随時発表されます。

最新の情報は次で確認してください。

登山や観光の予定がある場合は、出発前に必ず気象庁の噴火警報と地元自治体の規制状況を確認してください。道路や登山道の規制は自治体・道路管理者が個別に判断するため、気象庁の警報とは別に確認が必要です。

災害時に確認する公式サイトは災害時に確認する公式サイト一覧にまとめています。

出典

家族に説明するなら

北海道の十勝岳で、9月12日の朝に噴火警戒レベルが2から3(入山規制)に上がったよ。8月17日から、山の中で大きな揺れの地震が増えているんだって。火口から3kmくらいの範囲は、噴火したときに大きな石が飛んでくる危険があるから入っちゃだめ。富良野市・美瑛町・上富良野町・南富良野町・新得町が対象になっているよ。まだ噴火はしていなくて、9月14日の夕方の情報でもレベル3のまま。登山や観光の予定があるなら、出発前に気象庁と地元の町のお知らせを見てね。ひとつ気をつけたいのは、十勝岳は雪が積もる時期に同じ状態が続くとレベル4に上がる決まりになっていること。雪どけの泥流が起きやすくなるからだよ。

本記事は公式情報をもとにした要約です。最新かつ正確な情報、申請条件、期限は必ず公式ページでご確認ください。