給付型奨学金(学資支給金)や大学・専門学校などの授業料等の減免では、世帯の所得を「算定基準額」という金額に置き換えて、支援の対象になるかや支援の段階を判定します。その計算の一部を見直す政令改正が行われました。意見募集(パブリックコメント)は2026年6月25日から7月25日まで行われ、2026年8月7日に結果が公示されるとともに、政令が公布されました。
何が変わるのか
変わるのは、算定基準額を計算するときの「控除(差し引き)」の一部です。具体的には、前年に19歳になった支給対象の学生が世帯にいる場合の控除が見直されます。
これまでは、その学生が生計維持者(生計を支える親など)の扶養に入っている場合、生計維持者の金額から一律12万円を差し引いていました。改正後は、これを学生本人の前年の所得の区分に応じた段階的な控除に変えます。
| 学生本人の前年の所得(合計所得金額) | 控除される額 |
|---|---|
| 58万円以下 | 12万円 |
| 58万円超〜95万円以下 | 45万円 |
| 95万円超〜115万円以下 | 所得が上がるほど段階的に減る(おおむね約51万円〜約11万円) |
| 115万円超〜120万円以下 | 6万円 |
| 120万円超 | 3万円 |
「95万円超〜115万円以下」の区分は、所得が上がるにつれて控除額が段階的に小さくなる経過的な区分です。正確な計算方法は、e-Govに掲載されている新旧対照条文で確認してください。
なお、この「所得」は、地方税でいう合計所得金額で、アルバイトなどの収入そのものの金額(額面)とは異なります。区分の境目の金額を、そのまま「アルバイト収入○○万円」と読み替えないようご注意ください。
また、控除の対象となる範囲も広がります。これまでの「扶養親族」から、「生計を一にする親族(生計維持者の配偶者を除く)」などで、前年の合計所得金額が123万円以下である人へと対象が広げられます。
誰に関係するか
給付型奨学金や大学等の授業料減免を受けている、またはこれから受けたい学生とその家族のうち、前年に19歳になった支給対象の学生が世帯にいるケースが対象です。
控除額は学生本人の前年の所得によって変わるため、学生本人がアルバイトなどで収入がある世帯で関係しやすい内容です。具体的に自分の世帯がどう判定されるかは、制度の運用や個別の事情によります。詳しくは在学先や日本学生支援機構(JASSO)、e-Govの資料で確認してください。
いつ・どんな段階か
- 案の公示日:2026年6月25日
- 意見募集の期間:2026年6月25日〜2026年7月25日(受付終了、提出意見数15件)
- 結果の公示日:2026年8月7日
- 政令の公布日:2026年8月7日
政令は令和8年(2026年)8月7日に公布されました。 案の段階は終わっています。
これからどうなるか
意見募集の結果が2026年8月7日に公示され、同日、政令が公布されました。上記の控除の見直しは、この政令によって確定した内容です。
改正政令は「独立行政法人日本学生支援機構法施行令及び大学等における修学の支援に関する法律施行令の一部を改正する政令」(令和8年政令第249号)で、令和8年(2026年)8月7日に公布されました。
ただし、施行日(いつから適用されるか)は確認できていません。e-Gov法令検索では、大学等における修学の支援に関する法律施行令の現行版は令和8年4月1日施行のもので、この改正政令はまだ反映されていません(未施行)。実際にどの年度の判定から適用されるかは、文部科学省・日本学生支援機構(JASSO)の案内で確認してください。給付型奨学金や授業料減免を受けている世帯で、前年に19歳になった学生がいる場合は、あわせて在学先にも確認することをおすすめします。
あわせて知っておきたい制度
- JASSOの奨学金:高校の次の段階となる大学・専門学校の学費支援
出典
- e-Govパブリックコメント「独立行政法人日本学生支援機構法施行令及び大学等における修学の支援に関する法律施行令の一部を改正する政令案に関するパブリック・コメント(意見公募手続き)の実施について」(案件番号185001498)/文部科学省 高等教育局 学生支援課
- 意見募集の該当ページ(e-Gov)
- 意見募集の結果の公示(e-Gov・令和8年8月7日結果公示/同日公布)