子育て・教育 重要度: 高

国民年金保険料の「育児免除」が令和8年(2026年)10月から始まる 自営業・フリーランスなど第1号被保険者が対象・手続きを定める省令が7月31日に公布

自営業者・フリーランス・農業者・学生など国民年金第1号被保険者が子を育てている期間について、国民年金保険料の納付が免除される「育児免除」が令和8年(2026年)10月から始まります。所得要件はなく、免除された期間は保険料を納付したものとして老齢基礎年金の額に反映されます。届出のルールを定める国民年金法施行規則の改正省令が令和8年7月31日に公布されました。

自営業者やフリーランス、農業者、学生など国民年金第1号被保険者が子どもを育てている期間について、国民年金保険料の納付が免除される「育児免除」制度が令和8年(2026年)10月から始まります

所得要件はありません。そして、免除された期間は保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。つまり、保険料を払わなくても将来の年金は減りません。

届出のルールを定める国民年金法施行規則の一部を改正する省令令和8年厚生労働省令第121号)が、令和8年7月31日に公布されました。これで手続きの枠組みが固まりました。

誰が対象になるか

日本年金機構は、対象を次のように説明しています。

令和8年10月1日以降、1歳になるまでの子(※)を養育する国民年金第1号被保険者の実父母・養父母が対象です。

国民年金第1号被保険者とは、20歳以上60歳未満の自営業者、農業者、学生、無職の方です。

子を養育する要件として、次のすべてを満たす必要があります。

  • 子と身分(親子)関係が継続していること
  • 子と同一住所であること

所得要件はありません。

対象になる子は、法律上の親子関係がある子(実子および養子)に加えて、特別養子縁組の監護期間にある子および養子縁組里親に委託している要保護児童も該当します。

対象にならない方

区分扱い
第2号被保険者(会社員や公務員など厚生年金の加入者)育児免除の対象外。厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)の制度があります
第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている配偶者)国民年金育児免除制度の対象ではありません

保険料が免除される期間

実母の場合

産前産後免除期間を有する実母は、産前産後免除期間に引き続く9か月間(産前産後免除期間と合わせて最大13か月間)が免除されます(令和8年10月1日以降に限る)。

日本年金機構の例では、子の出産(予定)日が令和9年5月1日の場合、令和9年8月から令和10年4月の9か月間が育児免除期間にあたります。

実父または養父母の場合

子を養育することとなった日の属する月から、1歳になる誕生日の前月までの最大12か月間が免除されます(令和8年10月1日以降に限る)。

同じく、子の出産日が令和9年5月1日の場合、令和9年5月から令和10年4月の12か月間が対象です。

制度が始まる前から子を育てている場合

令和8年10月より前から子を養育していて、令和8年10月の時点で子が1歳未満の場合は、令和8年10月1日以降の月分だけが免除の対象になります。

日本年金機構は、子の出産日が令和8年1月1日の場合、令和8年10月から令和8年12月までの3か月間が該当する、と例を示しています。

厚生労働省もパブリックコメントの回答で、令和7年11月に生まれた子を養育している父親の場合、令和8年10月が育児免除に該当しますと説明しています。この場合は1か月分だけになります。

産前産後免除との関係

国民年金には、すでに産前産後免除制度(平成31年4月から)があります。出産(予定)日が属する月の前月から4か月間(多胎妊娠の場合は3か月前から6か月間)の国民年金保険料が免除される制度です。

育児免除は、この産前産後免除の後に続く制度という位置づけです。実母の場合、産前産後免除の4か月(または6か月)に、育児免除の9か月が続きます。

制度のメリット

日本年金機構は、育児免除のメリットとして次の点を挙げています。

  • 免除された期間は、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映される
  • 第1号被保険者であれば、夫婦ともに育児免除制度の対象
  • すでに保険料を納付している期間や、国民年金保険料免除・納付猶予、学生納付特例が承認されている期間についても、届出することで育児免除期間として取り扱われる。保険料を納付している期間の保険料は充当または還付される
  • 育児免除期間中も付加保険料(月額400円)を納付することができる

すでに納付した保険料が戻ってくる(または将来の保険料に充てられる)点と、学生納付特例などが承認されている期間も育児免除に切り替えられる点は、見落としやすいところです。

手続きについて決まっていること

令和8年7月31日に公布された**国民年金法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第121号)**が、届出のルールを定めています。この省令案は令和8年6月9日から7月8日まで意見募集が行われ、4件の意見が寄せられましたが、提出意見を踏まえた案の修正はありませんでした

厚生労働省は、寄せられた意見への回答のなかで、手続きについて次の点を明らかにしています。

届出ができる時期

育児免除に係る届出はすべからく、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47 号)の一部が令和8年10 月1日に施行されて以降届出が可能となります。

つまり、令和8年10月1日より前には届出できません

時効はない

本制度での届出に時効の適用はありません。育児期間の確認ができる添付書類等により遡って免除期間として承認いたしますが、適正な記録管理の観点から、早めの届出をお願いいたします。

さかのぼって届出ができます。ただし厚生労働省は早めの届出を求めています。

産前産後免除を届け出ていれば省略できる場合がある

産前産後免除の届出をした第一号被保険者が引き続き育児免除に該当したことを確認できるときは育児免除の届出は省略できることとしています。

電子申請と添付書類の省略

厚生労働省は、マイナポータルでの電子申請が可能であること、マイナンバー情報連携により添付書類の省略が可能であることを説明しています。国民年金法の規定に基づく保険料の免除等に関する事務は、マイナンバー法(番号利用法)別表に規定されているためです。

なお、「該当者に自動的に免除を適用してほしい」という意見に対して、厚生労働省は次のように回答しており、届出制であることは変わりません

当該免除制度においては、すべての制度対象者を国が網羅的に把握することは困難であるため届出制としております

周知の方法

厚生労働省は、自治体の母子保健窓口国民健康保険窓口、および産婦人科などにポスター・リーフレットの配布を行っていると説明しています。

いつから・何をすればよいか

時期内容
令和6年子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)が成立
令和8年7月31日国民年金法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第121号)が公布
令和8年10月1日育児免除制度の施行。届出の受付開始

国民年金第1号被保険者で、令和8年10月の時点で子が1歳未満の場合は、10月1日以降に市区町村の国民年金担当窓口またはマイナポータルで届出をしてください。夫婦ともに第1号被保険者であれば、それぞれが届出を行います。

すでに産前産後免除を届け出ている場合は、育児免除の届出を省略できることがあるため、窓口で確認するとよいでしょう。

届出に時効はないため、10月の時点で気づかなくても、後から届け出れば免除期間として承認されます。ただし記録管理の観点から、早めの届出が求められています。

出典

家族に説明するなら

自分でお店をやっている人やフリーランスの人、学生さんなどは、毎月自分で国民年金の保険料を払っているよね。2026年10月から、赤ちゃんを育てている間はその保険料を払わなくてよくなるんだ。しかも、払わなかった期間も「払ったこと」にしてもらえるから、将来もらえる年金は減らないよ。収入がいくらでも関係なく使えるし、お父さんとお母さんの両方が使える。お子さんが1歳になるまでが対象で、届出は10月1日から。後からでも届出できるから、あわてなくて大丈夫だよ。

本記事は公式情報をもとにした要約です。最新かつ正確な情報、申請条件、期限は必ず公式ページでご確認ください。