行政のデジタル化の基本ルールを定める情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(デジタル行政推進法/いわゆるデジタル手続法・平成14年法律第151号)と、情報処理の促進に関する法律を改正する法律が公布されました。令和8年(2026年)7月17日公布、令和8年法律第57号です。内閣が提出した法律で、所管はデジタル庁です。
改正の中心は、国の行政機関などが持っているデータを民間の事業者が活用できるようにする認定制度の創設です。
何が変わるのか
1. 「国等データ活用事業」の認定制度を創設
国の行政機関等が保有するデータを活用する、国の行政機関等以外の者による事業のうち、手続等に関連する民間事業者の業務の処理が改善されることを通じて国民の利便性の向上が図られるものを「国等データ活用事業」と位置づけ、次のしくみが設けられます。
- 内閣総理大臣が、国等データ活用事業に関する指針を定める
- 事業者が作成する国等データ活用事業計画の認定に関する規定を整備する
- 認定を受けた事業者は、主務大臣に対し、事業の実施に必要なデータであって国の行政機関等が保有するものの提供を求めることができる
- 認定を受けた事業者は、必要があると認めるときは、地方公共団体等の長に対して必要な協力を求めることができる
- 主務大臣は、事業が円滑・確実に実施されるよう、認定事業者に必要な援助を行う
- 主務大臣は、認定事業者に対して事業計画の実施状況の報告を求めることができ、報告をしなかったり虚偽の報告をしたりした者等には罰則が設けられる
2. 公的基礎情報データベース(ベース・レジストリ)の共同整備
国の行政機関と他の行政機関等が、住所や法人情報など社会の基盤となるデータをまとめた公的基礎情報データベース(ベース・レジストリ)を共同で整備することなどに関する規定が整備されます。
3. 情報処理推進機構(IPA)の体制と業務
情報処理の促進に関する法律も改正され、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に、役員として理事3人以内を置くことができるようになります。あわせて、認定を受けた国等データ活用事業者に対する必要な協力の業務などが、同機構の業務に追加されます。
いつから始まるのか
公布は令和8年(2026年)7月17日です。施行は、一部の規定を除き、公布の日から起算して1年6か月を超えない範囲内において政令で定める日とされており、具体的な日は今後定められます。附則では所要の準備行為も定められています。
認定の要件や手続、対象となるデータの範囲などの具体的な内容は、今後定められる指針や政令等で明らかになります。
誰に関係するか
一般の利用者にとって、今の時点で必要な手続きはありません。将来、認定を受けた民間サービスが行政データを使えるようになることで、各種の手続きに関連する事務が便利になることが想定される制度です。
行政データを使ったサービスを検討している事業者にとっては、認定を受けることで国の行政機関等が保有するデータの提供を求められるようになるため、指針や認定の要件を注視する必要があります。認定事業者には報告義務と罰則も設けられます。
自治体の担当者にとっては、認定を受けた事業者から協力を求められる立場になる点が関係します。
出典
- 最近の法律・条約の公布(内閣法制局)
- 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案要綱(内閣官房)
- 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第57号・令和8年7月17日公布)