携帯電話ショップなどの窓口で携帯電話を契約するときには、携帯電話会社(携帯音声通信事業者)が契約者の本人確認を行うことが法律で義務づけられています。この本人確認の方法を定める携帯電話不正利用防止法施行規則(正式名称「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則」・平成17年総務省令第167号)が改正され、令和8年(2026年)7月27日に公布されました。施行は令和9年(2027年)4月1日です。
改正後は、対面での携帯電話の契約締結時等の本人確認は、原則として、本人確認書類のICチップに記録された情報を読み取る方法によって行うこととされます。
なぜ変わるのか
総務省は、省令案の意見募集の際に次のように説明しています。
- 電話を用いた特殊詐欺の被害が深刻化するなか、携帯電話の犯行利用は近年増加傾向にある
- 犯行に使われた携帯電話は、一見して判別できないほど精巧に偽造・変造された本人確認書類を利用して契約されていることが判明している
運転免許証などの券面を目視で確認する方法では、精巧な偽造を見抜くことが難しいため、書類そのものではなくICチップの中の電子的な情報を機械で読み取る方式に切り替える、という考え方です。
政府全体の方針としても、「ICTサービスの利用を巡る諸問題に対する利用環境整備に関する報告書」において、デジタル社会の実現に向けた重点計画(令和6年6月21日閣議決定)を踏まえ、携帯電話不正利用防止法に基づく対面における契約締結時の本人確認は、マイナンバーカード等のICチップ情報を読み取る方法によって実施することが決定されていました。今回の省令改正は、これを実際のルールに落とし込むものです。
いつから
令和9年(2027年)4月1日から施行されます。
公布(令和8年7月27日)から施行まで8か月余りの期間が置かれています。これは、携帯電話会社や販売代理店が読み取り用の機器やシステムを準備するための期間と考えられます。施行日までは、現在の本人確認の方法が続きます。
誰に、どう関係するか
携帯電話を契約する人
令和9年(2027年)4月1日以降、お店の窓口で携帯電話を新しく契約するときや、そのほか法律で本人確認が必要とされる場面では、本人確認書類を**「見せる」だけでなく「読み取ってもらう」**手続きになります。マイナンバーカードなど、ICチップのある本人確認書類を持参することが基本になります。
マイナンバーカードを持っていない人がどのような方法で本人確認を受けられるかについては、省令の具体的な規定によります。施行までに、契約を予定している携帯電話会社や販売店で、使える本人確認書類と方法を確認しておくとよいでしょう。
なお、今回の改正は対面での本人確認に関するものです。オンラインなど非対面での本人確認については、別途、厳格化の見直しが進められています。
携帯電話の販売店・代理店
対面で本人確認を行う店舗では、ICチップを読み取るための機器やソフトウェアの導入が必要になります。施行日までに準備を進める必要があります。
パブリックコメントの結果
総務省は省令案について、令和8年3月14日(土)から同年4月13日(月)まで意見を募集し、18件の意見が提出されました。提出された意見と総務省の考え方は、総務省総合通信基盤局電気通信事業部利用環境課での閲覧・配布のほか、e-Govの「パブリック・コメント」欄に掲載されます。
出典
- 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集の結果の公表(総務省・令和8年7月27日)
- 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集(総務省・令和8年3月13日)
- 携帯電話の犯罪利用の防止|関係資料(総務省)
- 携帯電話不正利用防止法(平成17年法律第31号)、同法施行規則(平成17年総務省令第167号)