行政・手続き 重要度: 中

再審のルールを見直す刑事訴訟法の改正が公布 検察官への証拠提出命令を新設・再審開始決定への不服申立てを制限 令和8年(2026年)7月24日

再審(裁判のやり直し)の手続を見直す「刑事訴訟法の一部を改正する法律」(令和8年法律第67号)が令和8年(2026年)7月24日に公布されました。審判開始の決定をした裁判所は一定の要件の下で検察官に証拠の提出を命じなければならないこととされ、再審開始の決定等に対する即時抗告等は「決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合」に限られます。施行は一部の規定を除き、公布の日から1年以内において政令で定める日です。

確定した刑事裁判をやり直す手続である再審のルールを見直す**「刑事訴訟法の一部を改正する法律」(令和8年法律第67号)**が、令和8年(2026年)7月24日に公布されました。

近年における刑事事件の再審の手続をめぐる諸事情に鑑み、同手続が非常救済手続としてより適切に機能するようにするため、再審の手続等に関する規定を整備するものです。

成立までの経緯

内閣提出法案(閣法第61号)として、令和8年5月15日に衆議院へ提出されました。衆議院法務委員会で修正のうえ可決されています。

日付結果
衆議院 法務委員会令和8年6月12日修正
衆議院 本会議令和8年6月16日修正(起立採決・多数)
参議院 法務委員会令和8年7月16日可決
参議院 本会議令和8年7月17日可決(押しボタン採決・多数)
公布令和8年7月24日令和8年法律第67号

1. 検察官に対する証拠の提出命令

審判開始の決定をした裁判所は、一定の要件の下で、検察官に対し、再審の請求の理由に関連すると認められる証拠の提出を命じなければならないこととされます。

あわせて、再審の請求の手続において謄写された検察官提出証拠の複製等の適正管理および目的外使用の禁止に関する規定が整備されます。

2. 再審開始の決定等に対する不服申立ての制限と公表

  • 再審開始の決定等に対しては、当該決定等が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限り、即時抗告等をすることができることとされます。
  • 政府は、再審開始の決定等があったときは、遅滞なく、次の事項を公表します。
    • 再審開始の決定等があった旨
    • 検察官が当該決定等に対する即時抗告等をしたかどうか
    • 即時抗告等をした場合におけるその理由

3. 裁判官の除斥

  • 通常審における判決等に関与した裁判官が、一定の範囲で再審の請求の手続および再審公判から除斥されます。
  • 再審の請求についての決定に関与した裁判官も、一定の範囲で再審公判から除斥されます。

4. 手続の進行に関する規律

  • 再審の請求を受けた裁判所は、遅滞なく、その請求について調査しなければならないこととされます。
  • 裁判所は、調査の結果に基づいて、再審の請求を棄却する決定再審開始の決定、または審判開始の決定をしなければならないこととされます。
  • 再審請求者等は、審判開始の決定をした裁判所に対し、事実の取調べを請求することができることとされます。
  • 裁判所は、審理終結日および決定日を定めた上、それらの日を再審請求者等に通知しなければならないこととされます。

5. 費用の補償

再審開始の決定が確定した事件について、無罪の判決が確定したときは、一定の範囲で、その再審の請求の手続に要した費用の補償がされます。

衆議院での修正

衆議院において、次の修正が行われました。

  • この法律の施行後に行われる検討の対象に、例示として**「再審の請求の手続における証拠の目的外使用の禁止に関する制度及び検察官が保管する証拠の一覧表に関する制度」を追加**する。
  • 任意での証拠の提出または開示に係る運用上の措置の適切な実施を附則に追加する。

いつから

施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から1年以内において政令で定める日です。公布の時点では具体的な日付は決まっておらず、今後の政令で定められます。

誰に関係するか

住民が行う手続きはありません。再審を請求する側と、これを審理する裁判所・検察官の手続ルールが変わる改正です。

出典

家族に説明するなら

一度確定した刑事裁判をやり直す『再審』の手続きが変わる法律が、2026年7月24日に決まったよ。これまで再審では、検察が持っている証拠を出してもらうルールがはっきりしていなくて、無実を訴える人が証拠を手に入れにくいと言われてきた。これからは、裁判所が『やり直しの審理を始める』と決めたら、一定の条件のもとで検察官に証拠を出すよう命じなければならなくなる。もう一つ大きいのが、裁判所が『再審を始めます』と決めたときに、検察がそれに不服を申し立てられる場面が限られること。『その決定が取り消されるべきだと言えるだけの十分な根拠がある場合』だけになるんだ。さらに、検察が不服を申し立てたかどうかと、その理由を政府が公表することになる。もとの裁判に関わった裁判官は、やり直しの手続きから一定の範囲で外れることにもなるよ。始まるのは公布から1年以内に政府が決める日から。

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