「住民税非課税世帯」は、給付金や各種支援の対象になる基準としてよく使われる言葉です。意味と、非課税になる年収の目安、どんな場面で使われるかを整理します。
住民税非課税世帯とは
世帯の全員が、個人住民税の「所得割」と「均等割」の両方とも非課税になる世帯のことです。世帯の中に住民税を課税されている人が一人でもいれば、非課税世帯にはあたりません。
たとえば、本人は年金が少なく非課税でも、同じ世帯の子どもが働いて課税されていれば、その世帯は非課税世帯ではありません。
個人住民税の仕組み(所得割・均等割)
個人住民税は、おもに2つからなります。
- 所得割:前年の所得に応じてかかる税で、税率は標準で所得の10%(道府県民税4%+市町村民税6%。政令指定都市は2%+8%)です。
- 均等割:所得にかかわらず定額でかかる税で、標準で年4,000円(道府県民税1,000円+市町村民税3,000円)です。2024(令和6)年度からは、均等割とあわせて森林環境税(国税)1,000円も徴収されています。
住民税は、その年の1月1日に住んでいる市区町村で、前年1年間の所得をもとに課税されます。
非課税になる年収の目安(令和8年度)
非課税になるのは、主に次の人です。
- 生活保護を受けている人
- 障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下の人
- 前年の合計所得金額が、市区町村の定める基準額以下の人
3つめの基準額は、家族の人数と、住んでいる市区町村の級地(生活保護の基準に準じた地域区分)で変わります。給与収入だけの人の目安は次のとおりです。
1級地(仙台市の例):均等割が非課税になる給与収入
| 本人を含めた人数(本人+配偶者・扶養親族) | 令和8年度の目安 |
|---|---|
| 1人(本人のみ) | 110万円以下 |
| 2人 | 166万円以下 |
| 3人 | 205.9万円以下 |
| 4人以上 | さらに1人ごとに35万円ずつ加算(所得ベース) |
2級地(柏市の例):均等割が非課税になる給与収入
| 本人を含めた人数 | 令和8年度の目安 |
|---|---|
| 1人(本人のみ) | 106.5万円以下 |
| 2人 | 156.9万円以下 |
| 3人 | 188.4万円以下 |
所得割だけが非課税になる基準は、均等割より少し高めです。非課税世帯かどうかは「両方とも非課税」かで決まるので、実際には均等割の基準が目安になります。
令和8年度から基準の年収が上がった
令和7年度の税制改正で、給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げられ、令和8年度(令和7年分の所得)の住民税から適用されています。所得の基準額は変わっていませんが、給与収入に直すと、1級地の単身者は100万円以下から110万円以下に上がりました。
令和8年度の住民税は令和7年の所得で決まり、令和8年6月から令和9年5月までの納税に対応します。給付金などで「令和8年度住民税非課税」とあれば、令和7年の収入が基準です。
どんなときに関係する
住民税非課税(世帯)であることは、次のような場面で基準に使われます。
- 国や自治体の給付金:物価高対策などの給付で、対象を「住民税非課税世帯」とすることがあります。
- 医療費:高額療養費の自己負担限度額で、住民税非課税の人は低い区分になります。
- 介護保険料:65歳以上の介護保険料は、世帯が住民税非課税かどうかで段階が分かれます。
- 大学などの学費:高等教育の修学支援新制度(授業料減免と給付型奨学金)は、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯が対象です。
一方、国民健康保険料の軽減(7割・5割・2割)や国民年金保険料の免除は、住民税非課税とは別の所得基準で判定されます。「非課税世帯だから自動的に対象」とは限りません。
確認方法
自分が非課税にあたるかどうかは、住んでいる市区町村で課税(非課税)証明書を取ると確実です。マイナンバーカードがあれば、コンビニで取れる市区町村もあります。世帯全員が非課税かを確かめるには、世帯員それぞれの証明書が必要です。
基準額は市区町村によって異なるため、住んでいる市区町村のページで確認してください。