文部科学省は、小・中学校などで使う補助教材や学用品にかかる保護者の負担を軽くするための取組事例を、全国の教育委員会や学校に周知しました。令和8年(2026年)7月17日付けの事務連絡として、都道府県・指定都市の教育長や知事などに宛てて出されたものです。担当は、文部科学省初等中等教育局の「学校教育に係る保護者の負担軽減プロジェクトチーム」です。
物価高により家計の負担軽減が一層重要になっていることを踏まえ、各地の教育委員会や学校が実際に工夫している事例をまとめて示し、積極的な取組の検討を依頼する内容です。
何が示されたのか
事務連絡では、次のような負担軽減の取組事例が紹介されています(保護者への費用支援そのものの事例を除く)。
1. 教材などを「学校の備品」にする
これまで保護者が個人で購入していた教材などを、学校の備品としてそろえ、みんなで使えるようにする取組です。
- 習字用具(水書用具)、算数セット、彫刻刀、裁縫セット、ものさし
- 画板や探検バッグ、栽培セットの土と苗
- 鍵盤ハーモニカ(マウスピース・ホースは各自購入も可)、カスタネット
- 辞典(国語・漢字辞典など)、そろばん
- 柔道着(学校備品として整備し、希望者に貸与)
- 机の引き出し、作品ホルダー
2. 学校指定品の見直し
- 制服を見直して、より安く購入できるように変更する
- 標準的な仕様に合っていれば、指定メーカー以外の市販品でも購入・使用できるようにする
- 体育館履きと上履きの統一、指定品の範囲の緩和
- 通学バッグの自由化、ランドセルの購入が必須でない旨の周知
3. 制服や教材の再利用
- 使わなくなった算数セット・彫刻刀・画板などを、寄附を通じて学校の備品として再利用する
- 使わなくなった制服・運動着の寄附を募り、希望者に貸与する(お下がりの活用)
4. 消耗品を学校で用意
- 個人所有だったテープ・のり・ボンドなどを、学校が用意したものを共用するように変更する
5. その他
- 公費で負担する学用品の考え方を整理したガイドラインを作り、公費負担の範囲を広げる
- 教育委員会から学校に対し、教材費の平均額を示すとともに、お下がりやリサイクル品の活用を推奨する
誰に関係するか
保護者にとっては、学用品・教材費の負担を減らす取組が各地に広がっていることを知る手がかりになります。ただし、これは学校や教育委員会に向けた周知・依頼であり、保護者に新たな手続きや負担が生じるものではありません。学用品や教材費の負担が気になる場合は、通っている学校や自治体でどのような取組が行われているかを確認してみるとよいでしょう。
学校・教育委員会の担当者にとっては、示された事例や「教材整備指針」に基づく地方財政措置などを踏まえ、補助教材・学用品の在り方を、使用頻度や負担に見合うかといった観点で見直すことが求められています。取組にあたっては、教員や特定の職員に過重な負担がかからないよう配慮することにも触れられています。
出典
- 学校における補助教材及び学用品等に係る保護者等の負担軽減策の事例周知について(文部科学省)
- 事務連絡「学校における補助教材及び学用品等に係る保護者等の負担軽減策の事例周知について」(令和8年7月17日・文部科学省初等中等教育局)