ドローン(小型無人機)を飛ばしてはいけない範囲が広がりました。「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」(小型無人機等飛行禁止法)を改正する法律(令和8年法律第47号)が令和8年(2026年)6月24日に公布され、令和8年(2026年)7月14日に施行されました。
何が変わるのか
いちばん大きな変更は、飛行が禁止される範囲の拡大です。
この法律では、対象となる施設の「敷地または区域」と、その周りの一定範囲を合わせて「対象施設周辺地域」と呼び、その上空でのドローンの飛行を禁止しています。この「周りの一定範囲」が、改正前はその周囲おおむね300メートルでしたが、改正後はその周囲おおむね1000メートルになりました。
どの施設が対象か
範囲の拡大は、法律が定める対象施設のすべての種類に及びます。
- 国の重要な施設等(国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所庁舎、皇居・御所、危機管理を担う行政機関の庁舎など)
- 対象政党事務所
- 対象外国公館等
- 対象防衛関係施設
- 対象空港
- 対象原子力事業所
いずれについても、施設の敷地・区域とその周囲おおむね1000メートルの地域が、飛行禁止の対象になります。
新設される「対象特別要人所在施設」
今回の改正では、**「対象特別要人所在施設」**という新しい区分が設けられました(第3条の2)。
警察庁長官は、天皇または内閣総理大臣が所在する施設(内閣総理大臣官邸・公邸、皇居・御所はもともと対象施設なので除かれます)のうち、ドローンの飛行による危険を未然に防止する必要があると認めるものを、対象特別要人所在施設として指定できるようになりました。指定すると、その敷地・区域と周囲おおむね1000メートルの地域が飛行禁止になります。
これは常設の指定ではありません。期間を定めて指定され(期間は天皇または内閣総理大臣の安全確保に必要な期間とされています)、指定の内容と期間は官報で告示されます。指定の必要がなくなったときは直ちに解除されます。
指定の基準
どんな施設を指定できるかの基準は、令和8年国家公安委員会規則第15号(令和8年7月10日公布)で定められました。次のいずれかに当たる施設です。
- 天皇または内閣総理大臣が出席する行事(屋外で行われるものに限る)が行われる施設
- 天皇または内閣総理大臣が3時間以上滞在する施設、その他ドローンの飛行による危険を未然に防止することが特に必要と認められる施設
この規則案に対する意見公募(パブリックコメント)に提出された意見は0件でした。
違反するとどうなるか
対象施設とその指定敷地等の上空でドローンを飛ばした場合、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります(第13条)。また、警察官などから機器を退去させるよう命じられたのに従わなかった場合も、同じ罰則の対象です。
例外として飛ばせる場合
次のような飛行は、禁止の対象外とされています(第10条第2項)。
- 対象施設の管理者、またはその同意を得た人が行う飛行
- 土地の所有者・占有者(正当な権原を持つ人)、またはその同意を得た人が、その土地の上空で行う飛行
- 国または地方公共団体の業務のために行う飛行
ただし、対象防衛関係施設と対象空港の上空については、このうち施設の管理者またはその同意を得た人による飛行だけが例外になります。
また、例外に当たる飛行をしようとする場合でも、あらかじめ、飛行させる区域を管轄する都道府県公安委員会などに通報しなければなりません(第10条第3項)。
誰に関係するか
趣味でドローンを飛ばす人、空撮・点検・測量などの業務でドローンを使う事業者に関係します。禁止範囲がこれまでの3倍以上に広がったため、これまで問題なく飛ばせていた場所が、7月14日から禁止範囲に入っている可能性があります。飛行前に場所を確認してください。
なお、対象施設の周辺地域の具体的な範囲は官報で告示されるほか、警察庁のウェブサイトでも案内されています。対象特別要人所在施設については、指定のたびに官報で告示されるため、その都度の確認が必要です。
出典
- 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(平成28年法律第9号)
- 法令本文(e-Gov法令検索)
- 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第47号・令和8年6月24日公布/令和8年7月14日施行)
- 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律施行規則の一部を改正する規則(令和8年国家公安委員会規則第15号・令和8年7月10日公布)
- パブリックコメント結果公示(e-Gov)
- 小型無人機等飛行禁止法(警察庁)